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 webnews 04/11/24 (水) <前へ次へindexへ>
関東リーグを目指す熱い戦い
第38回関東社会人サッカー大会


取材・文/砂畑 恵

 第38回関東社会人サッカー大会が11月20日〜23日の4日間に渡り開催され、熱戦が繰り広げられた。国道17号線沿い、今年の国体にも利用された熊谷スポーツ文化公園をメイン会場に、東松山市サッカー場、吉見町ふれあい広場陸上競技場などに分散して試合は行なわれている。殊に、決勝(11月23日)の会場となる熊谷スポーツ文化公園陸上競技場は真新しいだけではなく、トラックがある割りにはピッチを間近に感じられる作りがいい。芝も良好で、ナイター設備も整い、今年の春先には浦和と甲府のプレシーズンマッチに利用された。これを機会に来場して貰いたいスタジアムである。

 今大会は、日本サッカー協会に登録している1種登録チームで(但しJ1、J2、JFL、大学連盟、高専連盟の所属チームは除く)、関東1都7県(茨城、神奈川、群馬、千葉、栃木、山梨、埼玉)の各県社会人リーグ戦で上位の成績を残した15チームと、開催地枠出場の1チームを加えた16チームによって争われる。大会パンフレットを紐解くと歴代の優勝チームには、東京ヴェルディやFC東京の前身である、読売クラブや東京ガスの名前も刻まれている。

 大会はトーナメント方式で行われ、1試合は40分ハーフ。これで勝負が決しない場合は前後半10分間の延長戦をフルに戦う。それでも決着をみなければPK戦の結果に委ねられる。なお優勝並びに準優勝チームについては、自動的に来年度の関東リーグ2部へ昇格を果たすことが出来る。

【出場チーム】
東京都代表  東芝府中サッカー部  都社会人リーグ1位(10勝1分2敗)
 (株)日立ビルシステム ビルケアサッカー部  都社会人リーグ2位(10勝1分2敗)
 FC町田ゼルビア  都社会人リーグ3位(9勝2分2敗)
茨城県代表  クラブ・ドラゴンズ  県社会人リーグ1位(11勝0分2敗)
神奈川県代表  大沢フットボールクラブ  県社会人リーグ1位(9勝0分2敗)
 六浦フットボールクラブ  県社会人リーグ2位(9勝0分2敗)
群馬県代表  図南サッカークラブ群馬  県社会人リーグ1位(7勝2分1敗)
千葉県代表  柏フットボールクラブ  県社会人リーグ1位(14勝2分4敗)
栃木県代表  宇都宮フットボールクラブ  県社会人リーグ1位(9勝4分1敗)
 揚茜クラブ  県社会人リーグ2位(9勝3分2敗)
山梨県代表  工友サッカークラブ  県社会人リーグ1位(7勝1分0敗)
埼玉県代表  飯能ブルーダー  県社会人リーグ1位(13勝2分3敗)
 パイオニア川越工場サッカー部  県社会人リーグ2位(13勝1分4敗)
 与野蹴魂会  県社会人リーグ3位(12勝3分3敗)
 セポジータス  県社会人リーグ4位(11勝1分6敗)
開催県枠  佐川急便さいたまSC  埼玉県社会人リーグ5位(9勝3分6敗)

 ところで準々決勝4試合の内、「図南サッカークラブ群馬vs.柏フットボールクラブ」と「与野蹴魂会vs.東芝府中サッカー部」の2カードを観戦する機会に恵まれた。この2試合について、短いながらもレポートを書き添えさせて頂きたい。準決勝と決勝については詳しいゲームレポートを後日、掲載予定。



●図南サッカークラブ群馬vs.柏フットボールクラブ
 試合結果/図南サッカークラブ群馬1−0柏フットボールクラブ

 関東リーグに返り咲きを狙う図南と、ご当地のJ1柏レイソルを思い起こさせる黄色のユニフォームが映える柏FCとの対戦。
 前半の立ち上がりは柏FCがペースを握った。上田と長瀬のコンビネーションによりサイドえぐる攻撃が目立つ。また長身のCFの大島はポストもよし、球を捌いてもよしのマルチタイプ。ただ柏FCは攻撃をきっちりシュートで終わらせていたが、GK中村の好守もあってゴールには結びつけることが出来ない。

 対する図南は、15分過ぎからレフティーの清水を中心に徐々に盛り返し、自分達に攻撃の流れが来た機会を逃さずに先制。23分、右からのクロスをニアに詰めた大塚が逸らし、小仁所が頭で押し込んでゴールネットを揺らした。そして、36分のチーム最大のピンチにはゴールカバーに入った川田がボールを掻き出すナイスプレーを披露した。

 後半になると両チームとも一進一退。柏FCは、前半同様に大島に入った楔のボールをサイドに散らし、センタリングを上げて相手攻略を図るが、図南DFの必死の守備にあと一山越えることが出来ない。図南も前線にロングボールを入れ、攻撃陣がシンプルにフィニシュへと持ち込むが追加点が産まれず。

 その状況下、71分に途中交代で入った森がPKをゲットし、図南が追加点のチャンス。しかし真正面に蹴ったボールをGK金子が読んでナイスセーブ。結局、両チームとも相手ゴールを攻め落とすことが叶わず、図南が前半の1点を守って逃げ切った。



●与野蹴魂会vs東芝府中サッカー部
 試合結果/与野蹴魂会1−2東芝府中サッカー部

 この両チームの繰り広げる対照的なサッカーが非常に印象に残った対戦。
 東芝府中は2列目がワイドに開いた4−4−2のフォーメーション。大型DFを擁した強力な守備とポジションをあまり崩さないチームの規律に則ったスマートなサッカーをする。

 一方、与野のフォーメーションも基本的には4−4−2なのだが、攻撃時にはアウトサイドが思い切り高めにポジションを取るため4−2−4に見えるほど。ポジションの移動も多い自由闊達なサッカーを展開していた。

 試合は12分、東芝府中のPKによる得点で動き出した。それまでのプレーを見る限り、東芝府中が整然としていたこともあり、与野は混沌としたチームだなというイメージで眺めていた。ところが、早々の失点に与野が猛半発。選手の出入りが烈しく、それに伴って1人ひとりの運動量が増加していく。特にボランチの伊東は卓越したボールキープと長短を折り交ぜたパスを繰り出し、東芝府中の痛いところを突いていく。そこに次から次へと違った選手が飛び込んでくるのだから相手とすればかなり厄介だ。

 いつしか東芝府中は自陣に引き下がる場面が多くなる。しかし、東芝府中の守備は強固だった。DFは大型で体格的に恵まれているのは確かだが、それ以上にお互いのカバーをきっちり出来ることが東芝府中の良さなのだ。そしてチャンスとなれば見逃さない。40分のCKではニアで待ち構えた菅谷がヘディングシュートを押し込んで2点差に広げた。

 後半になっても「攻めの与野」と「守る東芝府中」のスタイルは変わらなかった。58分のCKでは伊東の早く低いキックから佐藤のボレーシュートがあり、67分にも左サイドを破った吉川のクロスに谷が飛び込む惜しい場面もあった。その上、75分に東芝府中に退場者が出ると与野が完全に試合のペースを掌握し、ゴールの瞬間が近付いたように感じられたが…。

 だが与野は79分、ようやくPKによる得点を挙げただけに留まる。退場者を出しても安定感を失わない守備を貫いた東芝府中が与野の猛攻をかわした。

●その他の結果

 飯能ブルーダー2−1佐川急便さいたまSC
 クラブ・ドラゴンズ1−0パイオニア川越工場サッカー部
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