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 webnews 04/11/29 (月) <前へ次へindexへ>
「今大会、最高のパフォーマンス」で東芝府中が優勝の栄冠に輝く
第38回関東社会人サッカー大会 決勝 飯能ブルーダーvs.東芝府中サッカー部

2004年11月23日(火・祝) 11:00キックオフ 熊谷スポーツ文化公園陸上競技場 観衆:120人 天候:快晴
試合結果/飯能ブルーダー0−3東芝府中サッカー部(前0−3、後0−0)
試合経過/[東芝府中]O.G(1分)澤村(6分)窪田(23分)


取材・文/砂畑 恵

 東芝府中の先制点は電光石火だった。東芝府中キックオフで始まったボールはあれよと言う間に飯能陣内に運ばれ、金藤が思い切りのよいシュート。相手DFのオウンゴールを誘った。時計はまだ20秒経過しただけ。昨日の関東リーグ昇格はあくまで通過点。東芝府中は優勝への意欲を立ち上がりから示した。

「もともと後ろは安定しているが今年の良くなった点は前が強くなった」(東芝府中・中村総監督)。得点力のアップが東京都社会人リーグを1位で勝ち抜けた1つの要因だ。この試合でも連携の取れた中盤のパスまわしから、機動力のあるサイドを使った攻撃。FWの澤村、シャドータイプの馬目は小兵だが、縦へ横へと前線を掻き回し、相手にとって掴まえ辛い存在だ。6分のPK奪取もそれと無縁ではないだろう。高い決定力のあるエース・澤村はチームの期待に応えこのPKもしっかりとゴールに沈めた。

 早くも2点を失った飯能。苦しい展開にも直ぐ気持ちを切り替えて追撃体勢に入った。ただし、この日の飯能はこれまでとは若干、闘い方は変っていた。いや変えざるを得なかったと言う方が正しい。もともと飯能は選手層が薄い。この試合は怪我により主力2人を欠いていた。更に準々決勝、準決勝と2日連続となった延長戦。「昨日がピークだった」(飯能・佐藤監督)の言葉通り、疲れの見えるイレブンは、トップでボールをタメて中盤がサポートする得意のスタイルをスピーディーに行なえない。

 だが溢れる闘志が選手を突き動かす。10分過ぎには相手陣内へと徐々に侵攻を開始。中盤のパス回しには固執せず、早目にサイドへとボールを散らし、外から東芝府中を崩しにかかる。また外に開いたFWの矢部と中野がボールを受けるとドリブルで果敢にチャレンジした。そして21分には攻撃参加した宮崎のセンタリングに逆サイドのポスト付近へと飛び込んだ熊谷がシュート。だがきっちりコースに入ったGK高梨にシュートは弾き返された。



 ところで2点を奪ってから守勢に回った感のある東芝府中だが、守備の安定振りはこの試合も健在だった。でもこれまでとは少し違っていたのは、オフサイドトラップを掛けるシーンが目立っていたこと。「ミーティングで意識付けはしていた」(中村総監督)。その指示に従い、東芝府中DF陣は加河を中心に実践していたのだ。

 この点では敵将の佐藤監督も「不用意なオフサイドトラップはしないで、バランスの取れたラインの上げ下げをしていた」と口にする。例えば19分にワンツーで抜け出した矢部が左ポストを捉えるシュートでゴールネットを揺らした。だが無情にもオフサイド。つまり、ここぞの場面でしっかりラインを上げた東芝府中の守備陣にしてやられたわけだ。

 一見すると飯能ペースになったかに思えたゲームは、実は要所、要所を東芝府中が握っていた。それを如実に感じさせたのは東芝府中の3点目だった。23分、押し込まれてていた形勢をカウンターで一挙逆転。金藤はドリブルで左サイドを駆け上ると、グランダーのアーリークロスを送る。ボールは綺麗に逆サイドの窪田へ届き、ゴールへと収まった。

 3失点目は飯能に大きなダメージを与えた。それまでの失点は、どこか運にも見放された部分もあったが、今回は完全にチームが崩されて取られたゴール。ベンチも選手に活気を取り戻させようと、前半にも拘わらず2人を投入。53分には3枚目のカードを使った。だが東芝府中はしたたかだった。中盤をコンパクトにして相手を烈しいプレッシャーに晒す。ボールを奪うとシンプルに前の選手にボールを預けた。攻撃陣はスピードと突破力を存分に見せつけフィニッシュに持っていく。そして70分を回ると守備固めに入った。

 対する飯能の選手達はかなり疲労の色が濃くなる。それでも残った力を振り絞って闘いを挑んだ。サイドから懸命にクロスを上げ、ボランチも積極的にゴール前へと飛び込む。けれど目の前には東芝府中の壁がそびえる。77分の石川のシュートはゴール前に戻った窪田にCKに逃れられる。そのCKでは水沢の落としに石川、河野と繋げたがゴールにねじ込むことが叶わず。ついに最後まで東芝府中ゴールを陥落させることは出来なかった。

 今日の東芝府中はこの大会最高のパフォーマンスで優勝した。試合ごとに見られたチームの問題点や課題を次の試合では修正する。地道にこつこつ積み重ねてきたことが、今日の栄光の裏にはある。その姿勢は来年の関東リーグの闘いでも貫いて貰いたい。一方、飯能は残念な結果だったが、今大会のフェアプレー賞を手にした。選手はチームワークがあり、粘り強さも備える。本当にグッドルーサーであった。だがそれも今日だけの話だろう。「相手の闘い方、メンタル、環境や天候に左右されない技術と判断力をつけたい」。試合後にそう話す、佐藤監督の声が心に強く響いた。


(飯能ブルーダー) (東芝府中サッカー部)
GK: 中村宏紀 GK: 高梨泰嗣
DF: 水沢雅之 河野大樹 宮崎智秀 河崎健太郎 DF: 黒澤克紀(64分/余湖佳祐) 伊藤裕之 加河大 森屋博士
MF: 清水洋介 佐藤周 熊谷哲平(53分/高橋宏明) 山田健司(30分/石川光明) MF: 東城祐一(57分/岩ア康博) 野口篤 窪田慎吾 馬目雄介 金藤克佳(75分/長島由和)
FW: 矢部晃弘(39分/穂積一哉) 中野一孝 FW: 澤村隆幸
SUB: 鷹野正博 森淳史 浜野智也 里見洋一 SUB: 秋山成樹 沼田和喜 棚町佑介 山本陽慈
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