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 webnews 05/01/25 (火) <前へ次へindexへ>
セレッソ大阪は今季いかに戦うか


文/貞永晃二

 C大阪といえばもともと前線にタレントが揃い、攻撃力に定評があるチーム。しかし昨季は守備陣崩壊のあおりを受け得点力も下降した(前年比13点減)。攻撃力復活のためにも課題は「守備の建て直し」という点で衆目が一致するところとなる。かつて大分を総失点リーグ4位のチームに仕上げた小林監督だが、今季はキャンプから選手を鍛える時間を持てるだけに、もはや言い訳は許されない。

 それでは、補強も含めて今季を展望してみよう。まずDFラインでは3年目を迎える千葉の成長に期待したいところだ。そして昨季の外国人補強大失敗の反省から、ブラジル人トリオが入団することになった。クルゼイロから184cmのCBブルーノ・クアドロス。攻撃的左SBゼ・カルロスはコリンチャンスから加わる。守備の強化を目的だとすると、攻撃的SBというのは少々疑問が残るのだが。

 その他の選手の中で即戦力といえそうなのは山崎(大分)と江添(桃山学院大)の2人だ。山崎は昨季1stステージではレギュラーを確保していた選手。小林監督が大分時代からその能力は熟知している。そして人気面でも注目されるのが、他のJリーグチームからの評価も高かった江添。2年から大学選抜入りし、ユニバーシアード大邱大会では優勝にも貢献した。華奢に見えるがフィジカルは意外にしっかりしており、危険察知に秀でたクレバーな守備を見せる。リーダーとしての能力も優れ母校を秋季リーグ優勝に導き、自身もMVPに輝いた。新人といっても大学出、早くプロのスピードに慣れて一年目からポジションを奪い取る気概が必要だろう。



 MFはどうだろう。森島、古橋、徳重、苔口などFWもできる器用な攻撃的MFには事欠かないのがC大阪の強み。逆に相手の攻撃の芽を摘む役目を果たす選手が弱点なのは明白だ。このポジションにはコリンチャンスから186cmの大型ボランチ、ファビーニョが入る。しかし彼を含めたブラジル人3人は最年長のブルーノ・クアドロスでもまだ27歳というこれからの選手たちだけに期待と不安は相半ばする感じだ。そして両サイドに酒本、苔口という成長途上の二人。そこに廣山(東京V)が加わり、ベテラン久藤、布部、若い濱田、米山らと激しい定位置争いが楽しみだ。

 FW。昨季年間15得点、特に苦しい試合の続いた2ndステージで、10得点を決めた大久保は、不振にあえぐチームの先頭に立って引っ張り、まさに「エース」と呼ぶにふさわしい存在となった。その大久保がスペインへ旅立ち、C大阪はその穴を埋めるための補強を迫られたが、レンタルながら京都の元代表FW黒部の獲得に成功した。昨季崔龍洙と最後までかみ合わず、ケガがあったにせよ、わずか9得点に終わったことは黒部にとって不本意に違いない。5年を過ごした愛着ある京都を離れ、J1という厳しい戦場を選んだのは代表復帰という大きな目標があったからだ。過去2年経験したJ1であげた23得点の実績を自信に「大久保にないものを持っている」と入団会見で断言した黒部が森島・西澤らのベテラン、古橋・苔口らの若手とどう絡み機能するのだろうか。

 そしてGK。このポジションは昨季定位置を確保し一歩先を行く伊藤をG大阪から加わった吉田と一時はレギュラーだった若い多田が追いかけることになる。いつでもオレがいくぞという気概でいてもらわなければならない。

 展望のあとは最も期待したいプレーヤーを上げておく。それは、古橋達弥(24歳/MF)だ。HondaからJFL得点王という肩書きで7月に入団。2ndステージのデビューは、開幕から2試合連続得点。安定感あるプレーで結果的に大久保に次ぐ5得点、チーム一の出場時間を記録することになった。彼にはさらなるゴールへの貪欲さを期待したい。チームこそ違うものの同じ大阪のG大阪に移籍してきたGK藤ヶ谷(札幌)は静岡・磐田東高校の同期生。二人で関西のサッカーを盛り上げてもらいたいものだ。



 最後に。見事な働きでチームをJ1残留へと導いた大久保は、スペインのハイレベルなサッカーにも持ち前の激しい闘志で戦いを挑んでいる。戦いの場は異なるが、彼の活躍を大いなる刺激としてC大阪の選手にも闘志あふれる戦いを見せてもらいたい。そしてJ2陥落の年に長くハードな1シーズン制を多くの選手が経験し、最後まであきらめず戦った結果J1復帰がかなったことを思い出し最後の最後まであきらめない姿勢で今季に臨んでもらいたいと思う。
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