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 webnews 05/02/02 (水) <前へ次へindexへ>
ドイツへの最終ステップへ、日本代表順調なスタート!
KIRIN WORLD CHALLENGE キリンチャレンジカップ2005 - Go for 2006! - 日本代表vs.カザフスタン代表

2005年1月29日(土)19:20キックオフ 横浜国際総合競技場 観衆:46,941人
試合結果/日本代表4−0カザフスタン代表(前3−0、後1−0)
得点経過/[日本]玉田(5分)、松田(11分)、三都主(24分)、玉田(60分)


取材・文/貞永晃二

 日本代表が8年ぶりに経験するワールドカップ最終予選。その初戦、対北朝鮮戦まで残すところおよそ十日間。1月17日、宮崎で始まった強化合宿も横浜へ移動し、今年最初の実戦の相手はカザフスタン代表だ。

 カザフは8年前にフランス大会予選で顔を合わせた思い出の相手。当時はAFCのメンバーだったが、現在はUEFAに「移籍」している。多種多様な民族が住み、人口は約1500万人に達する中央アジアの大国だ。スーパーリーグという名の国内リーグ戦は19チームからなり、その国内メンバーが大勢を占める代表は半日程度の集合練習のみで来日したようだ。おそらくウズベキスタンと同一組になることを予想してのマッチメイクだったのであろうが、その思惑は見事に外れたわけだ。しかしこの際相手はどこでも関係はない。問題は疲れのピークにあるわが代表がどんなパフォーマンスを見せてくれるかだ。



 キックオフから日本は活発に両翼を走らせる。特に右サイドの加地の前へ前へというアグレッシブさが目を引く。さすがにまだコンビが合わないシーンも見られるが、カザフに渡ったボールもFW、MFが連動した挟み込みで容易に奪還してしまう。

 そして玉田の「右」足からジーコジャパン2005年のファースト・ゴールがあっさりと生まれる。5分、右サイドを加地が突破し入れたクロスをカザフDFはクリアし切れず、こぼれを小笠原が拾いロビングを上げる。DFはまたもクリアできず、左から入った玉田がジャンプし胸で押し出すように止め、さらにワンタッチ後低いシュートを決めた。

 加地はなおも強引に右サイドを蹂躙する。攻撃面での物足りなさを指摘され続けてきた彼の「脱皮」する試合になるのかもしれない。その加地のクロスからつかんだチャンスが最後は左CKになる。一本目はクリアされ、二本目のCKは11分、三都主の大きく曲がるキックが抜けてくるところにいたのは松田だった。宮本の負傷プラス、キャンプでの好調さでスタメンのチャンスをつかんだ彼が、高校1年まではFWだった片鱗を垣間見せた。ボールコントロールからコンパクトに振り切った左足シュートに至るまでが実に素早かった。GKモキンにとってはあれよあれよの2点はともにノーチャンスだった。2−0、まさに「理想的」な試合展開となった。

 見慣れた左サイドからの攻撃ではなく、不安そして不満を感じていた右サイドが機能した結果の2得点にスタジアムは安堵感のようなものに包まれた。この後も加地は何度かサイドを破って見せる。当然カザフの守備の甘さを差し引いて考えなければいけないのだが、加地自身がこの日の結果を自信に変えることができれば、両サイドは非常に安心なポジションになる。逆に負傷や出場停止時のサブ不在が心配なのだが。



 序盤で2点のビハインドを背負ったカザフは反撃に出たいところ。しかしこの日の日本は集中も切らさず、ピンチの芽を未然に摘んでいく。そして24分、右タッチ沿いのFKを三都主がカザフ・ゴールに向かっていく速いカーブボールを蹴る。飛び込んだのは鈴木と福西か。当然カザフDF数人もそれに競り合ってジャンプ。GKは完全にボールを見失い、誰も触ることができないままボールはネットに飛び込んでいった。前半途中だが勝敗を決定づける3点目だ。

 この後も大きなピンチもなく日本が圧倒的に攻める展開が続く。小笠原が運動量豊かに動き回りチャンスを作る。FKを一度は直接狙い、もう一度は3点目と逆の位置から同じような狙いのボールを入れた。さらに前半終盤に良い形の攻撃が続く。加地がカットインして作ったスペースへ遠藤が流れ鋭いアーリークロスを入れ、鈴木・福西が飛び込んだ場面。左サイド三都主のパスを小笠原がワンタッチで玉田へ。玉田は上体のフェイントでDFをかわした場面。最後は小笠原の右CKに福西がダイビングヘッドで合わせた場面。いずれも得点にはならなかったが、受け手がパサーの意図を共有できていることが見る側にも伝わる。

 問題としては、タッチに逃げれば済むところをつなごうとしたり、ドリブルしたりすることでカザフに奪われ、結果としてファウルで止めざるを得なくなった場面が数回見られたことだ。カザフのセットプレーには全く脅威を感じなかったが、最終予選の相手がカザフと同一レベルとは思えないだけに要注意だ。



 後半、カザフはDFライン2人を含む4人を一気に交代、日本は負傷もあってか福西をアウト、阿部を代表デビューさせた。48分、早速阿部にFKの見せ場が来る。カベはうまく巻けたがGKが必死に弾き出した。

 続いて小笠原から右の鈴木へていねいなパス。そのプルバックに阿部、玉田が飛び込むが合わせられず、DFがクリア。そのCKを小笠原が蹴り、松田がドンピシャのヘッドで合わすがGKがセーブ。ピンチは56分、カザフの左からのFKにGK川口も出られず、DFもかぶったが幸いカザフもシュートできない。

 そしてこの日最後の得点、日本の4点目が決まる。60分、中盤の遠藤から阿部へ。クサビが小笠原へ、そして玉田へスルーパスが通る。左45度、玉田の得意のコースだ。左足からの強烈なシュートがネットに突き刺さる。パスがポンポンと回り、その軌道も素晴らしく美しい得点だった。

 まだ日本の攻撃の手は緩まない。小笠原の正面からのFKがGKを襲ったあと、鈴木がアウトし、昨季Jリーグで日本人得点王の大黒が初のブルーのユニフォームで姿を現した。そしてガンバ大阪でのフィニッシャーとしてのプレーとは異なり、前線の起点になるべく動き、パスを受けそれを展開した。初の代表戦、それも途中交代の15分間程度では、まずチームの流れに入りこむことを考えるだろう。だが一本くらいはシュートが欲しかったところだ。

 ジーコ監督は終盤に坪井、藤田、本山を同時に送り出した。昨年7月のスロバキア戦(広島)での負傷退場以来の復帰となった坪井には意味のある試合となっただろうが、後の二人には雰囲気を思い出す程度の出場に終わった。



 昨年同時期との比較など無意味だが、仕上がり具合は雲泥の差がありそうだ。一次予選(昨年)と最終予選(本年)という緊迫感の違いもあるだろうし、昨年はさほどオマーンに苦しむと予想できなかったこともあって、監督、選手ともに取り組み方に甘さがあったのかも知れない。今回は身体が重そうな選手は見当たらないし、オフ明けだと言われなければ気づかないほど好調な選手までいるくらいだ。

 シリア戦では各ポジションで最終チェックを完了して余分な負傷者を出さないことが重要であり、勝敗は二の次だ。もう一週間しかないのだから、過剰なまでに北朝鮮を「神秘」だの「ベールに包まれた」だの取り上げるマスコミにも問題があるのだが、アウェーの地でのアジアカップ連覇の実力にもっと自信をもってもよいのだ。チャンピオンらしいどっしりと構えた戦い方で北朝鮮を破り、彼らが再び国際舞台から姿を消すほどのショックを与えてやろうではないか。


(日本代表) (カザフスタン代表)
GK: 川口能活 GK: モキン
DF: 田中誠(88分/坪井慶介) 松田直樹 中澤佑二 DF: ソロシェンコ(46分/Y・アゾフスキー) アブデーエフ スマコフ(46分/ロジオノフ)
MF: 加地亮 三都主アレサンドロ 遠藤保仁(88分/本山雅志) 福西崇史(46分/阿部勇樹) MF: チチューリン ウタバエフ(54分/アリエフ) バイジャノフ リャプキン カメロフ(46分/ジャルマガンベトフ)
FW: 鈴木隆行(77分/大黒将志) 玉田圭司(88分/藤田俊哉) FW: ラリン(46分/M・アゾフスキー) シェフチェンコ(73分/ドゥビンスキー)
SUB: 楢崎正剛、土肥洋一、宮本恒靖、三浦淳宏、西紀寛、茶野隆行 SUB: ノビコフ
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