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 webnews 05/02/08 (火) <前へ次へindexへ>
素晴らしいピッチ。練習環境は最高だ
アグレッシブにトレーニングを積む福岡。鹿島は筋トレからスタート。
宮崎キャンプレポート その2


取材・文/中倉一志

 宮崎キャンプ取材は地元の暖かい人たちとの触れ合いの旅でもある。4日、川崎Fvs.札幌の練習試合を綾町まで取材に行ったときのこと。間違って遥か手前のバス停で降車してしまった私は止む無くタクシーに。事情を知った運転手さんは運賃2,000円になったところでメーターを止めてくれた。取材を終えてバスの待合所で時間を潰していると、トヨタカップのジャンバーを着ている私に待合所の職員の人が試合の結果を尋ねてきた。そして、そこからサッカー談義が。相手はかなりご年配の方だ。

 そんな様子を見ていたおばあさんも話の輪に。孫の話や、宮崎の話に花が咲く。「お兄さんは学生さん?」と聞かれたときには、さすがに苦笑いするしかなかったが、ついついバスの時間を忘れてしまった。そんな私に待合所の職員の方が声をかける。「おにいさん、宮崎に帰るんなら、そこでバスが待ってるよ」。慌てて乗り込む私。笑顔で見送ってくれる、おばあさんと待合所の職員の人たち。待っていた運転手さんも笑顔で迎えてくれた。



試合後にサプリメントを摂るのも大事なトレーニングのひとつ
 さて5日は再び福岡のトレーニング取材。疲労がたまっていることを考慮して、この日は予定を変更して午後の練習が中止になった。しかし、午前中の練習が緩やかだったわけではない。ランニングから2人1組によるウォーミングアップはいつもの通り。シュート練習の後は40分×2本の紅白戦が行われた。この時期に2日に1回のペースで紅白戦が行われるのは、かなりハイペースとも言える。「ある程度ゲーム体力をつけるために必要に迫られてやっている」と松田監督。もちろん、選手たちも、その意図をよく理解している。

 黄色のビブスを着けたのは、最終ラインは右から中村、千代反田、岡山、アレックス。ボランチは松下とホベルトの2人。右ワイドに大塚、左サイドに宮崎。トップには福嶋、有光の2人が入る。赤ビブス組の先発は、山形、川島、木場、宮本の最終ラインに、沖本、喜名(練習生)のダブルボランチ。両ワイドには立石と古賀が入り、2トップのコンビは太田と林が組んだ。初日の紅白戦同様、激しくボールを追う22人。「身体は相当疲れているがよく動けている。それは気持ちが充実しているからだと思う」と松田監督は言う。

 特に目立ったのが福嶋の動き。この日はゴールも決めた。「今年はいいですね。本当は紅白戦の最後で有光と林を組ませようと思ったが、福嶋の気持ちを見て代えたくなかった」と松田監督も満足そうだ。そして岡山。これまで3トップの経験しかない岡山だが、この日は千代反田とプレーを確認しあいながら安定した守備を見せた。「松田監督と話したときに4バックは面白そうだなと思っていた。それに惹かれて来たというのもあるんで、難しいけれど自分の中で幅が広がるなと思っている」新しいスタイルに挑戦する岡山は充実したキャンプを送っているようだ。

 2本目は林に代わって田中が、木場に代わって柳楽が赤ビブスを着けた。そして残り20分となったところで林が有光に代わって黄色ビブスを着けて再びピッチへ。そして大塚を下げて古賀が赤から黄色へビブスを代えて左サイドに入る。それに伴い、宮崎が右サイドに移動し、エジソンが赤ビブスのFWへ、田中が赤ビブスの左サイドへとめまぐるしくメンバーとポジションが変わる。それぞれの組み合わせと動きを確認したいという意図だ。その中で古賀の鋭い突破と、林の動きが目を引く。激しいポジション争いは当分続きそうだ。



鹿島の練習場の前には早くから人だかりが。さすがは人気チーム
 翌6日は、同じく宮崎県総合運動公園でキャンプを張る鹿島の様子を覗きにいく。鹿島はこの日がキャンプ初日。練習開始は9:00からだったが、30分前に練習場である陸上競技場に着くと既に人だかりが出来ていた。2002年のナビスコカップ以来タイトルから遠ざかっている鹿島だが人気は健在。スタジアムの前ではアントラーズグッズまで販売している。しかし、チームは筋トレからスタートしたために選手がピッチの上に出てきたのは11:00近く。怪我の名良橋、代表キャンプに参加中の小笠原、本山、鈴木を除く26人が顔を見せると、スタンドから待ちわびたファンやサポーターが声をかけた。

 今年の鹿島のチーム始動日は4日。本格的な練習はこの日が実質的な初日ということもあって、この日のメニューはランニングとダッシュ主体のフィジカルメニューが中心。ベテラン本田泰人を先頭に選手たちは黙々と汗を流す。一方、プロとしての生活をスタートさせた新入団選手たちは別メニューで調整を行う。しかし、プロであることは変わらない。経験年数に拘わらず、実力でポジションを勝ち取らなければ生き残る術はない。その中で強烈なアピールをしたのが山本拓弥。ジュニア時代から鹿島に所属する山本は、約4キロのランニングを汗ひとつ流さず14分11秒で駆け抜けて抜群の体力を見せ付けた。

 スローガンとして「反撃宣言」を掲げる鹿島はタイトル奪還が至上命題。真のチャンピオンの証であるリーグ戦のタイトルが是が非でも欲しいところだ。このキャンプでどれだけの汗を流せるか、どれだけのものを自らの身体の中に蓄えられるか、それがシーズンの鍵を握っている。「代表がいないけれど、帰ってきても出られないよという危機感を与えるために、しっかりこっちにいる選手というのはやっておかないと。そういのが向上心につながるだろうし、レベルアップにつながる」(本田)。鹿島はの王座奪回を賭けた戦いが始まった。
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