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 webnews 05/04/19 (火) <前へ次へindexへ>
首位戦線のFC東京から浦和が「自信回復」となる勝ち点3をゲット
200年Jリーグ ディビジョン1 第6節 FC東京vs浦和レッズ

2005年4月16日(土) 15:35キックオフ 味の素スタジアム 観衆:40.113人 天候:曇
試合結果/FC東京0−2浦和レッズ(前0−0、後0−2)
試合経過/[浦和]エメルソン(48分)、堀之内(74分)


取材・文/砂畑 恵

 両チームのカラーでくっきりと2分割したスタジアム。大声援を受けてピッチに登場した選手達は、その熱気に突き動かされるように試合開始から烈しい攻防を繰り広げた。

 しばらくすると浦和が守備面で動きを見せる。相手がルーカスを頂きとした3トップであることを受け、山田が最終ラインへ降りて4バックへシフトしたのだ。これに連動して永井は中央から右に開く。但しアレックスはいつもの定位置で対面の石川にぶつけた。本来、FC東京はトップのルーカスにボールを預けて、戸田と石川が素早く縦を突く展開に持ち込みたいところだったが、浦和の布陣変更によりそう簡単には崩せない。

 だが12分、FC東京はスローインから絶好機を掴む。CK直後だったこともあり、左サイドに回ってボールを受けた石川は、巧みなドリブルで相手のマークを擦り抜ける。その石川の動きを視界に捉えた今野はゴールに向かって走り出した。DFの裏へ突破し、石川から早いタイミングで送り込まれたロビングを胸トラップすると、飛び出すGK都築の手前でボールをプッシュ。シュートはゴールに転がり込むかに見えたが惜しくもポストを叩き、カバーに入った坪井に掻き出される。リバウンドを拾った石川のシュートも枠を逸れていった。



 最初の決定機を逃したFC東京。この日は守備に懸念も抱えていた。怪我人が続出し、急遽、増嶋や前田といった若い顔ぶれを最終ラインに並べたからだ。だがメンバーは違っても堅守は健在。守備を買われて起用された浅利は経験の浅いDF陣をベテランらしいプレーで補う。やや高めにポジション取りする今野も粘りある守備はいつも通りだ。

 そんなFC東京の2重、3重と仕掛ける守備網に掴まりながらも、浦和のFW陣はなんとか打開策を模索する。特にエメルソンは相手のタイトな寄せに耐えながら、スピード溢れる動きで相手のファウルを誘った。そのエメルソンが奪った34分のFK、アレックスの放ったボールは弧を描いてゴールに迫るが、わずかに落ち切らずクロスバーに嫌われてしまう。

 その後も中盤での丁々発止は続くも、両チームが得点を奪えず前半を終えた。なんともこのカードらしい試合展開だが、浦和にすればFC東京の術中にはまった時のパターンにも似て、勝ちから遠ざかっていることからも気が滅入ったことだろう。事実、長谷部もハーフタイムの様子を「チャンスも作れてなくて、正直、重い空気が流れていました」と話す。



 後半になるとFC東京は一挙に攻勢を掛けた。だがそれが却って浦和に運が向くのだから不思議なモノだ。48分、永井が足の長い浮き球のパスを前線に出す。ただボールは勢い余ってゴールラインを割りそうだった。攻撃モードとなっていたFC東京の選手達は守備への執着がやや薄れ、何気なくそのボールを見送り、「みんな足が止まっていた」(FC東京・増嶋)。ところが長谷部は懸命にボールへ追い縋り、ゴールラインギリギリでマイナスのパスを折り返す。ゴール前に詰め寄る田中が相手DF3人を引き付け、その背後スペースへエメルソンが横から走り込んでシュート。昨年の得点王がやっと目を醒ました。

 FC東京のちょっとした油断が招いた失点。戸田も「これからという時にやられて、ちょっと焦った感じはあった」と言う。1点を追う立場となりベンチの行動は早かった。55分過ぎにはタッチラインから指示を出し、戸田とルーカスの2トップに布陣変更。63分には孤立するルーカスをフォローする為に梶山を投入する。更に71分には疲れの見える石川から鈴木規にスイッチ。だが前掛かりのチームは攻守のバランスを徐々に失っていく。

 逆に浦和はしっかり守り、カウンターで応戦。74分、相手の攻撃を止めた坪井よりロングパスがマークの甘くなった永井、田中と一気に渡り、CKを獲得。エメルソンのキックに堀之内はペナルティーエリア外からファーに回り込み、頭で会心のゴールを決めた。

 それ以降は双方にチャンスとピンチがめまぐるしく巡る。浦和は追加点こそ成し得なかったが、守備では83分に増嶋のヘッドをGK都築がスーパーセーブし、ロスタイムには堀之内がルーカスのシュートをゴール寸前でクリアーするなどゴールを死守。浦和はとうとう長かったトンネルを潜り抜け、リーグ初勝利を2−0の完封で飾った。



 この試合に負けて首位戦線から1歩後退したFC東京。敗戦の理由はいくつかあるだろうが、あの1失点目で見せた「ほんの少しの気の緩み」が大事に至った。ボールに対する執着心が明暗を分けることを改めて感じさせるシーンだった。

 さて低迷している浦和にとって好調なFC東京を相手に初勝利を納めたことは、単に勝ち点3をゲットしただけでなく、失いつつあった自信を回復する機会ともなっただろう。但し、ロビングボールを入れられた際のラインコントロールに気掛かりな点も残る。前節のチョジェジン、そして今回の今野と、多少、形は違うが、マークしきれずあっさりとDFの裏を取られる点では同じだ。この辺の反省はしっかりして、次に活かしてもらいたい。


(FC東京) (浦和レッズ)
GK: 土肥洋一 GK: 都築龍太
DF: 前田和也 ジャーン 増嶋竜也 金沢浄 DF: 坪井慶介 堀之内聖 内舘秀樹
MF: 浅利悟(63分/梶山陽平) 今野泰幸 栗澤僚一 MF: 山田暢久 長谷部誠(89分/酒井友之) 鈴木啓太 三都主アレサンドロ(63分/平川忠亮)
FW: 石川直宏(71分/鈴木規郎) 戸田光洋(77分/近藤祐介) ルーカス FW: 永井雄一郎 田中達也 エメルソン
SUB: 塩田仁史 迫井深也 SUB: 徳重健太 梅田直哉 岡野雅行
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