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 webnews 05/12/08 (木) <前へ次へindexへ>
これがサッカー。仙台、44試合目の涙。
2005Jリーグ ディビジョン2 第44節 アビスパ福岡vs.ベガルタ仙台

2005年12月3日(土)14:04キックオフ 東平尾公園博多の森球技場 観衆:13,375人 天候:晴
試合結果/アビスパ福岡1−1ベガルタ仙台(前0−0、後1−1)
得点経過/[福岡]古賀(49分)、[仙台]村上(65分)


取材・文/中倉一志

 ロスタイムの4分間の終わりを告げるホイッスルが鳴る。その瞬間、ピッチの上に仙台の選手たちが崩れ落ちた。「5分刻みくらいで得点経過を入れてもらっていた」(都並敏史監督・仙台)。甲府の結果は選手たちの耳にも届いていたのだろう。ピッチに立つイレブンは、入れ替え戦への道が閉ざされ、J1昇格の夢が潰えたことを知っていた。「今年の44節の中でも非常にレベルの高い試合運びが出来た」(同)。しかし、それでも勝つとは限らない。これがサッカーだ。

 試合後の記者会見では、指揮官が終了間際までカードを切らなかったことに対し、番記者から「もっと早い時期に投入する考えはなかったか」との質問が飛んだ。しかし、それは結果論に過ぎない。仙台が放ったシュートは福岡の倍以上に当たる17本。しかもその半数が決定的なものだった。そのサッカーに間違いはなかった。最終的に4位という成績に終わったのは、この日の采配によるものではなく、44試合の積み重ねによるものだ。



 甲府が勝ち、そして仙台が引き分け以下という結果にならない限り3位が確定する仙台。しかも甲府の最終節の相手は京都。様々なシチュエーションから判断して、仙台が3位を確保する可能性はかなり高いと思われていた。そんな背景からか、仙台は予想に反して、それほど前に出てこない。どちらかと言えば守備のバランスを整えながらゲームの流れを静観しているようにさえ感じられた。そして福岡は、いつものように高い位置のプレスから始まり、攻守の切り替えの速いサッカーで仙台ゴールを目指す。

 しかし、この日の福岡はミスが多い。加えて、松下、中村北斗で組んだダブルボランチはバランスが悪く攻守の起点が作れない。「前半は寝ていると言われても仕方がないようなパフォーマンス」(松田浩監督・福岡)。やがて10分を過ぎた辺りから、仙台が試合の主導権を握る。低い位置に下がってくるバロンが起点を作り、落としたボールに梁勇基が絡んでサイドへ展開。スペースへ飛び出すシュウェンクが強いゴールへの意欲を表現する。

 22分、シュウェンクがマークを振り切ってフリーでヘディングシュート。24分にはGKとの1対1の場面からバロンの右足が唸る。さらに30分には、ペナルティエリア内でフリーになった中田がシュートを放つ。シュートがゴールをはずれ、枠を捉えたシュートはGK水谷が気迫のスーパーセーブに阻まれたが、仙台の優位は誰の目にも明らかだった。この時間帯に一気呵成に攻められたら、福岡は厳しかったに違いない。しかし、仙台はバランス重視。このまま試合を進めればゴールは生まれると判断したのだろう。確かに、それは間違った判断ではなかった。



 スコアレスのまま迎えた後半、仙台は前半と変わらぬ姿勢で攻撃を組み立てる。46分に2度、そして48分にも決定的な場面を演出した。そんな展開の中で、これといったチャンスを作れなかった福岡がゴールを挙げるのだからサッカーとは分からないものだ。時間は49分。右サイドで得たFKに古賀の左足が唸った。インにかかった素晴らしいボールは、両チームの選手が入り乱れるわずかにスペースに落ちると、ワンバウンドして、そのままゴールに吸い込まれた。GK高桑にはノーチャンスだった。

 それでも試合の流れは変わらない。主導権を握る仙台は58分、決定的なチャンスを作るが、これはGK水谷がスーパーセーブを見せてゴールを死守。それでも仙台は慌てずに攻撃を組み立てる。そして65分、ゴール正面で得たFKのチャンスから、最後は村上が放ったシュートがゴール左隅を捉えた。この時間帯、福岡は下がって守るだけ。仙台が勝負をかけるなら、この時間帯だった。しかし、仙台のリスクを負わずにバランスを重視する姿勢は変わらない。

 50分、右からのクロスボールにファーサイドの根引が合わせる。誰もがゴールを確信した瞬間、GK水谷がまたもやスーパーセーブを見せる。そして、ここから仙台は、富田、財前、熊谷を立て続けに投入。甲府リードの報が入ったからだ。刻々と時計の針が進む中、仙台は人数をかけて前に出る。そして最大の山場は手元の時計が50分を経過したところ。2列目から飛び出した熊谷がGK水谷との1対1に。しかし、ここでも水谷はファインセーブ。そして、試合終了を告げるホイッスルが鳴った。



 非常にバランスの取れたサッカーを展開した仙台は福岡にチャンスを与えず、そして、数々の決定機を作り出した。ただひとつの誤算があったとすれば、GK水谷の度重なるスーパーセーブだった。手元のノートに記された1対1のシーンは5度。スピードもタイミングも、ゴールが生まれてもおかしくないもの。しかし、その全てをGK水谷に阻まれた。「今の印象としてはこれがサッカーだなという感じ」(都並監督)。最後の一戦を勝てなかった原因を問われれば、そう言うしかなかった。

 さて、これで今シーズン15度目の引き分けを記録した福岡。そういう意味では、福岡らしい終わり方だった。通算成績は21勝15分8敗。京都に大きく離されてしまったのは、引き分けが多かったため。しかし、2位を確保できたのは、苦しい試合で負けなかったことによるものだ。来シーズンからは戦いの舞台をJ1に移すことになるが、J1の強豪と伍していくためには、個の力をレベルアップさせることが不可欠。リーグ戦は終わったが、福岡の新しい戦いは既に始まっている。







(アビスパ福岡) (ベガルタ仙台)
GK: 水谷雄一 GK: 高桑大二朗
DF: 山形辰徳 長野聡 千代反田充 アレックス DF: 中田洋介(84分/富田晋伍) 木谷公亮 根引謙介 村上和弘
MF: 宮崎光平(55分/山形恭平) 中村北斗 松下裕樹 古賀誠史(64分/村主博正) MF: 千葉直樹 シルビーニョ 大柴克友(86分/熊谷浩二) 梁勇基(84分/財前宣之)
FW: 田中佑昌 岡山一成(74分/林祐征) FW: シュウェンク バロン
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