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 webnews 05/12/20 (火) <前へ次へindexへ>
リバプール、新たなチャレンジャーを退け、南米王者との頂上決戦へ。
FIFAクラブワールドチャンピオンシップ トヨタカップ ジャパン2005 準決勝 リバプールFCvs.デポルティボ・サプリサ

2003.12.14(日)19:20キックオフ 横浜国際総合競技場
試合結果/リバプールFC1−1デポルティボ・サプリサ(前1−1、後0−0、延前0−0、延後0−0、PK1−3)
得点経過/[リバプール]クラウチ(3分、58分)、ジェラード(32分)


取材・文/西森彰

「(第2回世界クラブ選手権の中止は)選手たちに伝えてありましたが、試合には影響なかったと思います。今大会が延期なのか、それとも中止なのか。次の大会の出場権がどうなるのか。まだ正確な情報を手に入れていないので…」

 ジュビロ磐田の鈴木政一監督(当時)がそう語ったのは、私の記憶に間違いがなければ、2001年のコンサドーレ札幌戦で驚異的な逆転勝ちを収めた後の記者会見だったと思う。敵地でブーイングを浴びせられ、石を投げられ、傷だらけになって勝ち取ったはずの世界チャンピオンへの挑戦権は、FIFA契約代理店の倒産というピッチの外で起こった問題で、磐田の手から取り上げられた。

 そしてこの2005年、一度は閉ざされた第3世界の「地球一」への扉が、トヨタカップの再編という形で、再び開かれた。残念ながら、日本のクラブがその舞台にあがることはできなかったが、欧州、南米だけでなく、アジア、アフリカ、オセアニア、北中米のチャンピオンが集結した。さらにオセアニア代表・シドニーFCの一員として、カズこと三浦知良も、この大会に参加している。



 第3世界の4クラブによる1回戦を経て、この準決勝第2試合で、欧州代表リバプールFCに挑むのは、カズを緊急補強したシドニーFCを降した、北中米代表のデポルティボ・サプリサ。

 第1戦を見た限り、このクラブの最大の武器は、左サイドハーフの位置にいるクリスティアン・ボラニョス。アルヴァロ・サボリオとロナルド・ゴメスの2トップが、相手の最終ラインを前後して牽制しておき、その裏に送られたロングフィードをボラニョスが受けるというのが、ひとつのパターンになっている。

 シドニーFCを葬り去ったのも、その攻撃パターンから生まれたボラニョスのゴール。前半は死んだフリをして耐えておき、後半勝負。第1戦と同じゲームプランで臨んだサプリサだったが、この日の対戦相手は想定よりも、一枚か、二枚、レベルが上だったようだ。



 月曜日に来日後、中2日でのゲームとなったリバプールだったが、大会初戦だからといって別に構えるわけでなく、普通にゲームを立ち上がった。

 前線から最終ラインまでが機能的に動き、全く隙を見せない。そしてフォア・チェックに行ったジブリル・シセがボールを奪い、ヨン・アルネ・リーセに預けて、そのまま前方へ突進。リーセから送られたハイボールを、走りこんだシセが頭で落とすと、ピーター・クラウチがボレーであわせる。開始3分のゴールで、リバプールは早々とイニシアチブを手にした。

 失点でゲームプランの狂ったサプリサは、リスタートからワルテル・センテノからの展開と、ボラニョスのスピードに乗ったドリブルの2つを軸に仕掛けるが、欧州王者のディフェンスに十重二十重に囲まれて、なかなかシュートレンジまで辿り着けない。僅かに、27分、センテノのスルーパスに反応したサボリオが、リバプールの最終ラインを割って抜け出したが、これをゴールの左に外してしまう。

 気落ちしたサプリサに対し、リバプールはワールドクラスのゴールで止めを刺す。32分、後方からのロングフィードを、制空権を完全に我が物としたクラウチが頭で落とす。これを左からリーセがまたもや大きなサイドチェンジ。がら空きになった右サイドの落下点にいたのはスティーヴン・ジェラード。リバプール育ちのキャプテンが得意の右足でダイレクトに叩いたボールは、サプリサGK・フランシスコ・ポラスの手を掻い潜って、ゴール右隅に飛び込んだ。

 後半にもクラウチのゴールで1点を追加したリバプールは、サプリサの終盤の反撃を抑え、3対0の完勝でファイナルへ進んだ。



 アジア王者のアル・イテハドが、南米王者・サンパウロFCに善戦したことで、この日のサプリサにも番狂わせの期待がもたれたが、90分間を通じて示されたのは圧倒的なチーム力の差だった。シドニーにも幾度かチャンスを許したルーズなディフェンスは、リバプール相手には致命傷になった。

 この試合内容とスコアをもって、両大陸のチャンピオンの対戦を「ミスマッチ」の一言で切ってしまうのは容易い。しかし、もしこの大会がなかったなら、大陸間の格差がどれほどの大きさかも分からなかったはずだ。強者に力差を見せ付けられることは、恥ずべきことではない。横綱にぶん投げられた平幕が為すべきことは、もう一度同じ土俵に立つこと。そしてこの日の差を縮めるための努力だ。

 そして勝ったリバプール。2つのカップ戦と20チームでのリーグ戦、そしてUEFAチャンピオンズリーグを戦う、イングランドのクラブにとって、この大会は存在自体が厄介なもののはず。それでも、横浜国際総合競技場のピッチ上には、当たり前のように勝利を目指して戦う、元祖レッズのプレイヤーたちの姿があった。

 無失点試合のクラブ記録を更新中であることが、ひとりひとりに緊張感を醸成していたのかもしれない。前身のトヨタカップで2回、南米王者の前に涙を呑んだ歴史を塗り替えようという気持ちがあったのかもしれない。いかなる理由であれ、勝負を眺める側の我々にとって、装いを新たにしたトーナメントに出場する欧州王者が、片手間ではなく新タイトルを取りにきた。それが何より嬉しい。


(リバプールFC) (デポルティボ・サプリサ)
GK: ホセ・マヌエル・レイナ GK: フランシスコ・ポラス
DF: ホセミ、ジェイミー・キャラガー、サミ・ヒーピア(72分/ルイス・ガルシア)、ジミ・トラオレ DF: ヘルビス・ドラモンド、ロナルド・ゴンサレス、ヴィクトル・コルデロ、ガブリエル・バティージャ
MF: スティーヴン・ジェラード(64分/フローラン・シナマ・ポンゴル)、モハメド・シソコ、シャビ・アロンソ(79分/ディトマール・ハマン)、ヨン・アルネ・リーセ MF: トライ・ベネット(H.T/アロンソ・ソリス)、ワルテル・センテノ、ランダル・アソフェイファ、クリスティアン・ボラニョス
FW: ジブリル・シセ、ピーター・クラウチ FW: アルヴァロ・サボリオ(83分/アラン・アレマン)、ロナルド・ゴメス(76分/ヘロルド・ドラモンド)
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