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 第81回天皇杯全日本サッカー選手権大会 <前へ次へindexへ>
後を引く、降格のショック!? 福岡、J2の新潟にホームで惨敗!!
第81回天皇杯全日本サッカー選手権大会 3回戦 アビスパ福岡vs.アルビレックス新潟

2001年12月9日(日)13:00キックオフ 博多の森球技場 観衆:2,724人 天候:晴
試合結果/アビスパ福岡2−3アルビレックス新潟(前1−2、後1−0、延前0−1)
得点経過/[新潟]氏原(28分)、[福岡]バデア(40分)、[新潟]黒崎(44分)、[福岡]ビアージョ(82分)、[新潟]黒崎(100分)


取材・文/中倉一志

「J1で戦ってきた選手と、J2で育ってきた選手の間には差がある」と反町監督が語ったように、J2への降格が決ったとは言え、試合前は福岡が優位に試合を進めるものと思われていた。しかし、福岡はボールを支配しながらも中々前へ進めない。新潟の中盤での厳しいチェックにてこずり、その中盤を突破しても手数をかけすぎて決定機に結びつけることが出来ない。攻めあぐねる福岡。博多の森の観衆にとってはストレスのたまる試合展開だ。

 一方の新潟も、守備面では互いに連動して良いところを見せるのだが、攻撃となると、時折見せるウンターぐらいなもので、こちらも効果的に前に出られない。17分にCKのチャンスから新井がヘディングでゴールを狙うという決定的な場面を作ったが、それ以外には、チャンスらしいチャンスが作れないままだ。ボール支配では福岡が上回るものの、ともに決定的が作れない試合は、膠着状態に陥ったまま時間だけが過ぎ去っていった。



 そんな展開が続く28分、新潟が先制点を挙げる。GKからのボールを受けた黒崎が氏原へラストパス。すると、氏原がいとも簡単に福岡DFの裏へ抜け出した。落着いてGKまでかわした氏原は、あとは無人のゴールにボールを流し込むだけでよかった。特に攻め込まれていたわけでもなく、たった2本のパスから失点した福岡。突然、一瞬の隙をつかれてあっさりと失点するパターンは、福岡がリーグ戦中に何度も失点したパターンと同じだった。

 この1点で福岡の攻撃は更に膠着状態に陥っていく。スペースを使えず、サイドを突破せず、前線で待つFWも、ただゴールに背を向けてボールが足元に来るのを待っているだけ。不必要にボールを真中に集めては新潟DFに跳ね返される。これもリーグ戦中に何度も見られた光景だ。40分にはPKから同点に追いついたが、44分には、新潟が見せた中盤でのパス交換からのラストパスで完璧に裏を取られて再び失点。前半は新潟のリードで終了した。



 1点を追う福岡は後半に入ると立ち上がりから積極的に前へ出てゴールを狙う。前半は中盤のプレッシャーが効いていた新潟も、さすがにゴール前に釘付け。福岡が一方的に攻撃を仕掛ける展開になっていく。しかし、やはり決定的なシーンが作れない。そんな福岡は三浦に代えて篠田を投入。3バック、1ボランチにしてなおも攻め立てた。そして82分、バデアの左サイドからの折り返しにビアージョが合わせて、ようやく同点に追いついた。

 福岡は、その後も圧倒的に攻めながらも得点が奪えずに試合は延長戦へともつれ込んだが、勢いは福岡にあるように思えた。しかし迎えた100分、新潟の秋葉が左サイドへ展開すると深澤がドリブルで突破。その折り返しをファーサイドでフリーになっていた黒崎が頭で合わせた。まるで絵に描いたようなサイド攻撃からの1点。結局、福岡は博多の森での最後の試合を飾ることなく2001年シーズンを終えた。



 福岡はJ2降格のショックをまだ受け止めきれていないのだろう。フロントが来シーズンのビジョンを示せず、多くの主力選手に解雇通告をしたことも影響しているのかもしれない。ボールを支配しながらも、どこか覇気の無いプレーに終始していた。しかし、冷静に見れば、攻めあぐねる攻撃も、失点の仕方も、今シーズンの福岡そのものの姿。出来が悪いと言うよりも、今の段階では残念ながら、これが福岡のサッカーなのだろう。

 スペースやDFの裏を使う意識や、素早くカウンターに移る姿勢は、むしろ新潟の方が徹底されていた。また、守備に対する集中力でも福岡を上回っていたと言える。技術の高さからボールを支配していたが、戦術と言う面では、この試合だけなら新潟の方が上回っていた。徹底的にゴール前を固めて、素早いカウンターでゴールを狙うのがJ2のサッカー。そんなJ2の洗礼を浴びる形になった福岡。いまは現実を正面から受け止めて、1日も早くJ1昇格へ向けての準備を進めなければならない。


ピッコリ監督(福岡)記者会見・バデア選手(福岡)インタビュー
反町康治監督(新潟)記者会見


(アビスパ福岡) (アルビレックス新潟)
GK: 塚本秀樹 GK: 野沢洋輔
DF: 藤崎義孝、加藤寿一、小島光顕 DF: 井上公平、高橋直樹、新井建二、神田勝夫
MF: 久永辰徳、バデア、野田知、三浦泰年(78分/篠田善之)、中払大介 MF: 秋葉忠宏、マルキーニョ(HT/深澤仁博)、寺川能人、鈴木慎吾(69分/長谷川太一)
FW: 山下芳輝(51分/ビアージョ)、江口倫司(51分/服部浩紀) FW: 氏原良二、黒崎久志
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