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 第81回天皇杯全日本サッカー選手権大会 <前へ次へindexへ>
魅せた、エジムンド・小倉の2トップ。東京V、覇気ない磐田に、3−1の完勝!!
第81回天皇杯全日本サッカー選手権大会 4回戦 ジュビロ磐田vs.東京ヴェルディ1969

2001年12月16日(日)13:01キックオフ 熊本県民総合運動公園陸上競技場 観衆:9,155人 天候:曇
試合結果/ジュビロ磐田1−3東京ヴェルディ1969(前1−2、後0−1)
得点経過/[東京]エジムンド(23分、27分)、[磐田]大岩(44分)、[東京]米山(50分)


取材・文/中倉一志

「来年に向けて、精神的にも肉体的にも戦える選手を、もっともっと多く作って、こういうゲームが二度とないようにしていきたい」。悔しさを押し殺した顔で鈴木監督は試合を振り返った。ここまで41試合の公式戦を戦って僅かに5敗。その結果もさることながら、他チームを内容で圧倒的に優る磐田のサッカーは、Jリーグ随一の実力と誰もが認めるところだった。しかし、その片鱗を感じさせることもなく、磐田は4回戦で姿を消した。



「J1同士で戦う、初めてノープレッシャーのゲーム」(小見監督・東京V)。その言葉通り、東京Vは立ち上がりから伸び伸びと積極的な姿勢を見せた。しかし、相手は磐田。そんな東京Vに対し、厳しいプレスと得意のパスワークでボールを支配して、試合の主導権を握るかに見えた。ところが、磐田の様子は明らかにおかしい。ボールを持っても前へ進めず、流れるようなパスワークは影を潜めたまま。集中力を欠くプレーが続いていた。

 一方の東京Vは、ひところの不振を脱したようだ。中盤で激しく動いて磐田に自由を与えず、DFラインの集中も高く磐田攻撃陣のペナルティエリア侵入を許さない。そして、攻撃面ではエジムンドが際立ったプレーを見せてチャンスを演出した。的確なポストプレー、抜群のボールコントロール、優しく、しかしポイントをついたパス。そしてスルリと狭いところを抜けていくバランスの良さ。ボールに触れるたびにガラリとピッチの上の雰囲気を変えていた。

 先制点は、そのエジムンドが決めた。時間は23分。エジムンドは中盤に下がってボールを受けて永井へパス。そのままスルスルっと中央を抜けていくと、永井、菊池と渡ったボールをペナルティエリア内で再び受けて、右足をダイレクトで振り抜いた。そして、その4分後、小倉が左サイドから上げたクロスが、ヴァン・ズアムと小林が交錯してこぼれたところに素早く詰めて、今度は左足を振り抜いた。あっという間の2得点。ヴェルディが試合の主導権を握った。



 一方、前半のうちの2失点は、磐田にしてみれば予想外の出来事だったかもしれない。しかし、この日の磐田には、あの強い姿はなかった。繰り返すミス、覇気の無いプレー。前線でボールを待つ中山には全くボールが渡らない。目的を感じられないその場限りのプレーばかりが目立っている。そんな様子にいらだったのか、33分には奥が審判の判定に対して侮辱的な態度を取ったとして一発レッド。10人で2点を追わざるを得なくなった。

 それでも、前半のロスタイムにはCKから大岩が頭で合わせて1点を返す。そして後半開始直後には、10人になりながらも前がかりになって東京Vゴールに迫った。しかし50分、CKのこぼれ球を米山にけりこまれて3失点目を喫して万事休す。この後は集中を欠いたプレーを繰り返すばかり。シュートを1本も打てないばかりか、形さえ作れないまま時間を費やした。東京Vの動きが鈍くなった残り15分になってようやくシュートを放ったが、ゴールが生まれるわけもなかった。



 代表選手を多く抱え、そしてチャンピオンシップまで戦うというスケジュール。磐田の選手たちが肉体的にも、そして精神的にも疲労していたことは否めない事実だ。しかし、それにしても、そのモチベーションは低すぎた。天皇杯を勝ち抜こうという気迫も、タイトルを奪うという執念も、90分間を通して、ただの一度も感じることができなかった。「もっと鍛えなおさなければいけないんじゃないですか、いろんな意味で」。中山は憮然とした表情で、そう語った。

 さて、準々決勝進出を決めた東京V。その原動力はエジムンドであることは誰もが認めるところだ。どんな体制でボールを受けても余裕たっぷり。ボールに触れば、必ずと言っていいほどチャンスを作る。そのプレー振りは久しぶりにJリーグに本物がやってきたことを感じさせてくれた。そして、そのプレーを最大限に引き出していた小倉のプレーも、この日の勝利の大きな要因であることも見逃せない。

「エジムンドの出したいボールを知ってるし、エジムンドの欲しいところにも出そうとしてる」(小見監督)というように、2人のコンビネーションは抜群。エジムンド本人も「小倉は日本に来てから一番やりやすい相手。チームは戦力外通知をしているようだが、できることならば来年も一緒にプレーしたい」と絶賛していた。この2人がコンビを組む東京Vの攻撃は、これからの天皇杯の大きな見所になりそうだ。


鈴木政一監督(ジュビロ磐田)記者会見
小見幸隆監督(東京ヴェルディ1969)記者会見
中山雅史選手、服部年宏選手(ジュビロ磐田)インタビュー
小倉隆史選手(東京ヴェルディ1969)インタビュー
(ジュビロ磐田) (東京ヴェルディ1969)
GK: ヴァン ズアム GK: 菊池新吉
DF: 鈴木秀人、田中誠、大岩剛 DF: 菊池利三、エメルソン、米山篤志、杉山弘一
MF: 西紀寛(HT/清水範久)、福西崇史、服部年宏、金沢浄、藤田俊哉(75分/前田遼一) MF: 山田卓也、小林慶行(82分/林健太郎)、永井秀樹(89分/富澤清太郎)、石塚啓次
FW: 奥大介(33分/退場)、中山雅史 FW: エジムンド、小倉隆史(86分/平本一樹)
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