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 第81回天皇杯全日本サッカー選手権大会 <前へ次へindexへ>
粘る川崎を振り切り、清水が決勝進出!! 3度目の正直なるか?
第81回天皇杯全日本サッカー選手権大会 準決勝 川崎フロンターレvs.清水エスパルス

第81回天皇杯全日本サッカー選手権大会 準決勝 川崎フロンターレvs.清水エスパルス
試合結果/川崎フロンターレ2−1清水エスパルス
得点経過/[清水]澤登(26分)、[川崎]伊藤(53分)[清水]バロン(75分)


取材・文/中倉一志

 3回戦でいきなりJ1チームが6チームも敗れ、その後もリーグ戦上位チームが敗れ続けた今年の天皇杯。長いシーズンの終了直後、加えて契約交渉期間中でもあり、選手にとってはモチベーションの維持が難しい大会ではあるが、それにしても、その戦い振りは情けない。日本最大・最古の大会、しかも年に1度のプロの試合を楽しみにしている各地のファンのことを考えると、そのプレー振りはプロ選手として疑問符を付けざるを得ない。

 そんな中、高いモチベーションで勝ち進んできたのが川崎フロンターレだ。3回戦でC札幌をVゴールで破ると、4回戦では確実に横浜FCを下してベスト8に進出。続く準々決勝ではエジムンドを擁する東京Vに3−1のスコアで快勝し準決勝に駒を進めてきた。2001年J2リーグでは7位、リーグ戦終了後には選手の大量解雇も発表され、チームの状況は決して良くはない。しかし必死にボールを追い、ゴールを目指してここまでやって来た。



 その川崎Fを清水が迎え撃つ。「天皇杯では、相手が今まで弱かったから今回も弱いんじゃないかとかということは成り立たない」(ゼムノビッチ監督・清水)という清水は、ホイッスルと同時に高い位置からプレスをかけて主導権を握る。川崎は必死でボールを跳ね返すのが精一杯だ。そして26分、三都主が左サイドをドリブルで突破。その折り返しを中央で貯めたバロンが後ろへ流すと、そこへ澤登が飛び込んで左足を振り抜いた。

 しかし、清水の早いプレスに戸惑いながらも川崎は追加点を許さない。「左サイドをどうケアするかということが一番のポイント。ビデオを編集して選手にも見せた」(石崎監督・川崎)という川崎は、守勢に立たされながらも三都主、そして平松のサイド突破を許さず、清水に決定機を与えない。だが、絶えずプレスをかけ続ける清水に対して攻撃に移ることは出来ず、試合は膠着した状態のまま前半を終了することになった。



 後半に入ると、やや清水の運動量に陰りが見え始める。プレスが緩み、やや中盤にスペースが出来始めたのだ。そして、ここから川崎の反撃が始まった。運動量とスピードで清水を上回る川崎は、ルーズボールを拾って前を向くと、全員が意思統一された動きでカウンターを狙う。特に中盤を形成する鬼木、桂、今野の献身的な働きが目立っている。そんな動きに支えられて、川崎は次第に清水ゴール前に迫る回数が増えていく。

 そして53分、川崎はとうとう同点に追いついた。鋭いダッシュで左サイドを駆け抜けた塩川が、DFに囲まれながらも狭い隙間を縫ってクロスボールを上げると、それに合わせて伊藤がニアに飛び込んだ。頭で合わせたボールは、ふわりと浮いて、ジャンプするGK黒河の両腕を越え、そのままゴールマウスに吸い込まれた。勢いに乗る川崎は、その後も猛攻を展開。清水を上回る運動量とスピードで試合の主導権を掌握した。



 そんな川崎にとって悔やまれるのは、この時間帯に追加点を奪えなかったことだった。そして、この川崎の猛攻を耐えた清水が再び攻撃を開始する。「1点を献上してしまったということが、かえって起爆剤になった」とゼムノビッチ監督が振り返ったように、ここから三都主、平松のサイド攻撃が蘇った。20分過ぎからは、清水が決定機を山のように築きだす。そして75分、戸田からのパスを右サイドで受けた澤登がセンタリング。これにバロンがドンピシャリのタイミングで合わせて川崎を突き放した。

 これで清水は2年連続、3度目の「元旦の国立競技場」進出を決めた。3年前は先制点を奪いながら横浜フリューゲルスに逆転負け。そして昨年は、鹿島アントラーズの前にVゴールで敗れた。3度目の正直にかける思いは強いはずだ。勝算を問われたゼムノビッチ監督も「タイトルを取れなかったという悔しさが選手の中にある。そして、ここまで上り詰めたという経験は前回、今回と続けてある。選手たちは強い気持ち、意識を持ってのぞんでいくと思う」と力強く記者会見を締めくくった。


石崎信弘監督(川崎)記者会見
ゼムノビッチ監督(清水)記者会見
(川崎フロンターレ) (清水エスパルス)
GK: 吉原慎也 GK: 黒河貴矢
DF: 伊藤宏樹、飯島寿久、土居義典 DF: 森岡隆三、大榎克己、古賀琢磨
MF: 鬼木達(77分/箕輪義信)、高田栄二、塩川岳人、桂秀樹(77分/向島建)、今野章 MF: 平松康平、戸田和幸、吉田康幸、三都主アレサンドロ、澤登正朗
FW: 盛田剛平、我那覇和樹(HT/伊藤彰) FW: 久保山由清(73分/横山貴之)、バロン
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