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 第82回天皇杯全日本サッカー選手権大会 <前へ次へindexへ>
天皇杯開幕!アルエット熊本が福岡教育大を下す。
第82回天皇杯全日本サッカー選手権大会 1回戦 福岡教育大学vs.アルエット熊本

2002年12月1日(日)13:01キックオフ 博多の森陸上競技場 観衆:244人 天候:曇
試合結果/福岡教育大学1−2アルエット熊本(前0−1、後1−1)
得点経過/[熊本]相良(44分)、西村(50分)、[福教大]日高(66分)


取材・文/中倉一志

 サッカープレーヤーなら誰もがあこがれる「元旦の国立」、今年も天皇杯の季節がやってきた。各都道府県代表の47チームに、Jリーグ、JFL、大学、第2種からの33のシードチームを加えた計80チームが日本一の座をかけてトーナメント方式で戦う。各都道府県大会からの参加チームは6000を超えるマンモス大会は「日本版FA杯」とも呼べるものだ。憧れの「元旦の国立」を目指して、全国各地の会場でそれぞれのチームがしのぎを削る。そして、博多の森陸上競技場では福岡教育大学とアルエット熊本が対戦した。



 出足の速さと鋭いプレッシャーをかけるアルエット熊本の前に戸惑いの色を見せていた福教大イレブンだったが、立ち上がりの危険な時間帯を凌ぐと、得意のサイド攻撃から主導権を握る。3バックで守るアルエット熊本は、この福教大のサイド攻撃を防ぐために両WBが最終ラインに吸収されることが多く、ただロングボールを放り込むのが精一杯。序盤は福教大のペースで進んでいく。

 しかし、その福教大も大学リーグ戦で見せた切れが感じられない。特に、ポストプレーヤーとしてリーグ戦で活躍したFW木下へボールが入らず、攻めているように見えてチャンスを作ることが出来なかった。そんな福教大に対し、徐々にペースを取り戻したアルエット熊本は、福教大の左サイドへロングボールを集め反撃のきっかけを探す。やがて、ロングボールのケアのために福教大の最終ラインが下がり始めると、中盤に出来たスペースを使いはじめた。

 互いに主導権を奪い合う展開、しかし、両チームともに決め手に欠けた。やや攻勢に試合を進めながらも正確性に欠くアルエット熊本、相変わらずポストにボールを預けることが出来ない福教大、試合は膠着状態のままロスタイムを迎えた。このまま0−0で折り返すかと思われた瞬間、ゴール前の混戦から相良の放ったシュートがゴールネットをゆする。シュートそのものはあたり損ねたものだったが、味方DFがブラインドになりGK真子はキャッチしきれなかった。



 後半に入ると福教大は4−4−2から4−3−3に変更、逆転を狙う。FW木の下を中心に、その下に2人のFWを置くシステムは大学リーグで採用していたもの。戦いなれたシステムに戻したことで福教大にリズムが戻るかに思えた。しかし、福教大はどうにも動きが重い。そして50分、アルエット熊本は、MF西村が角度のないところから放った絶妙なシュートがゴールネットを揺らして貴重な追加点を挙げた。

 そんな福教大も60分を過ぎたあたりから、ようやく3トップが機能し始め攻撃を開始する。そしてボランチに位置する日高が積極的に右サイドを攻め上がり何度もチャンスを作り出した。しかし、2点をリードし全員で連携して守るアルエット熊本の守備は堅い。ほとんどの時間帯を自陣内で戦うのだが、決してゴール前でのチャンスを与えなかった。福教大は一方的に押し込みながら決定的なチャンスは最後まで作ることが出来なかった。

 結局、福教大の反撃は66分に日高がFKを直接決めた1点のみ。試合は2−1でアルエット熊本が逃げ切った。「力負けしたとは思わない」福教大の三本松監督の言葉通り、両チームの力の差はなかったといっていいだろう。むしろ、ボールをポストに当てて両サイドに展開しようとする福教大のサッカーのほうが狙いがはっきりしていたようにも思えた。しかし、ポスト役の木下に最後までボールが入らなかったことが最後まで響いた。木下を自由に動かせなかったアルエット熊本の守備がまさったと言っていいだろう。



 この日の試合で32チームが2回戦に駒を進め、1週間のインターバルをはさんで12月8日に2回戦が行われる。憧れの「元旦の国立」までは、あと6試合。3回戦からはJ1所属の16チームが参加してくる。その道のりはまだまだ遠いが、サッカープレーヤーたちは、プロ、アマの区別なくひとつのボールを追って日本一の座を目指す。そんな大会はJリーグとは違った独特の雰囲気をかもし出しているのだが、だからこその面白みもある。さて、2回戦ではどんな試合が見られるのだろう。いまから楽しみだ。
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