topnewscolumnhistoryspecialf-cafeabout 2002wBBSmail tolink
 第83回天皇杯全日本サッカー選手権大会 <前へ次へindexへ>
終盤怒涛の8分間3ゴール!C大阪、土壇場で神戸をうっちゃり!
第83回天皇杯全日本サッカー選手権大会 準々決勝 セレッソ大阪vs.ヴィッセル神戸

2003年12月23日(火・祝)13:02キックオフ 神戸総合運動公園ユニバー記念競技場 
観衆:6,021人 天候:晴
試合結果/セレッソ大阪3−2ヴィッセル神戸(前0−2、後3−0)
得点経過/[ヴィッセル神戸]三浦知(7分)、シジクレイ(11分)、[セレッソ大阪]
森島(79分)、バロン(84分、87分)


取材・文/貞永晃二

J1残留をすでに決めていたリーグ最終戦、神戸は同じスタジアムで同じ相手に0−4で大敗を喫した。その雪辱戦は天皇杯ベスト4をかけたものとなった。

 試合開始からC大阪を自陣に押し込む神戸。プレッシングもよくきき、快調なすべりだし。その勢いが瞬く間での2点リードにつながった。いずれもCKから、それもヘッドで。7分には右CKからカズが、11分には左CKからシジクレイが決めた。セットプレーからの失点の多いC大阪守備陣の弱点があからさまに出てしまった。

 得点自体はセットプレーだったが、2失点後ボールポゼッションにおいても神戸に圧倒されたC大阪。攻撃は単発に終わり、うまくボールを引き出せない大久保はいらついたのか、激しい接触プレーで土屋にそしてビスマルクにといさかいを起こす。そんなC大阪は、負傷した西澤を戦力外通告をうけながらも天皇杯好調なバロンに替えたものの、流れは神戸のまま。そしてハーフタイムを迎えた。



 サイドMFを中井から徳重に替え、より攻撃的に出るC大阪。塚田監督のゲキが飛び、悔いを残さず戦うことを誓った選手たちは神戸を攻め立てる。酒本がボックスでシミュレーションを取られる。若い彼の行為は感心しないが、得点への渇望がそうさせるのか。

 体調不良が伝えられた森島を3枚目のカードとして投入した塚田監督。もうあとは選手を信頼し任せるだけだ。64分、右へ流れた大久保のクロスからバロンのヘッド。67分、DFのクリアこぼれを徳重がシュート。神戸DFが身体を張ってリードを守る。さらにバロンのヘッドが神戸ゴールを襲うがワクをとらえられず、76分酒本のCKからのヘッドはポストが神戸の味方についた。時間は残り10分余り。しかし8分間のドラマはここから始まった。

 79分、プロローグのカウンターが炸裂する。久藤からバロン、そして久藤と戻され森島にスルーパスが出る。するりと抜け出しGKの位置を見定めて左足でゲット!1点差だ。副島監督も動き小島から播戸、ビスマルクから薮田とフレッシュな選手で活性化を図る。しかし失われたリズムは戻ってこない。

 84分の徳重の右CK、ブラインドとなったDF坪内に当たったボールにバロンがシジクレイに競り勝って飛び込んで決めた。ついに追いついたC大阪。しかしエンドマークはまだだ。87分、森島が作ったチャンスにバロンが足を滑らせたDFを尻目にフリーシュート。神戸に運は残っていないのか、DFにかすって変化が加わったボールはGK掛川から逃げるようにネットに吸い込まれていった。そして運を味方につけたC大阪は直後の播戸のコントロールシュートがバーを叩いたことで明らかになった。



 J昇格後は下位が定位置となっている神戸。新生・神戸となる来季へつなげるためにも天皇杯のベスト4は自信になったはずだ。それをもう少しのところで逃してしまった。勝負弱さというのが神戸の特徴となってしまった感さえあるが、必死の戦いで残留を果たしたことは胸を張っていいことだ。所属チーム全てが優勝を狙うリーグなど世界のどこにもない。トップリーグに所属し続けることが、チームの存在価値であってもいいのだ。しかし、来季からは金銭面での言い訳はもはや通用しなくなる。今まで以上に厳しい戦いが待っている。

 C大阪は勢いに乗っている。秋田を中心にまとまる鹿島との一戦は激しい試合となるはずだ。ホームで戦えるアドバンテージはどれほどか。スポットを浴びるバロンの影で解雇が決まりながらも完全燃焼し続ける下川、鈴木、喜多の3人には頭が下がる思いだ。鹿島の秋田を見ていたいと同時に彼らC大阪守備陣3人に元旦まで戦わせてあげたい、そう思うのは感傷的すぎるだろうか。


(セレッソ大阪) (ヴィッセル神戸)
GK: 下川誠吾 GK: 掛川誠
DF: 喜多靖 鈴木悟 柳本啓成 DF: 吉村光示 土屋征夫 北本久仁衛 松尾直人(14分/坪内秀介)
MF: 布部陽功 濱田武(56分/森島寛晃)久藤清一 中井義樹(45分/徳重隆明)酒本憲幸 MF: シジクレイ 菅原智 朴康造 ビスマルク(82分/薮田光教)
FW: 西澤明訓(41分/バロン) 大久保嘉人 FW: 小島宏美(79分/播戸竜二) 三浦知良
<前へ次へindexへ>
SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送