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 第85回天皇杯全日本サッカー選手権大会 <前へ次へindexへ>
学生対決になった2回戦は仙台大(白)のキックオフで開始
地元・札幌大、悔しい敗戦。3回戦進出ならず。
第85回天皇杯全日本サッカー選手権大会 2回戦 札幌大学vs.仙台大学

2005年9月19日(月)13:00キックオフ 札幌市厚別記念公園競技場 観衆:854人 天候:晴
試合結果/札幌大学0−1仙台大学(前0−0、後0−1)
得点経過/[仙台大]金子(58分)


取材・文/中倉一志

 例年なら肌寒さが感じられる9月下旬の札幌だが、前日に引き続いて好天に恵まれた札幌市厚別記念公園競技場の気温は27度。湿度が52%と低いために蒸し暑さは感じられないが、それでもサッカーをやるには少々気温が高い。1回戦が行われた17日にはジャケットが欲しかった観客席も、この日は大半が半袖姿だ。前日に行われたJ2の試合とは比べようもないが、スタンドには地元・札幌大学の応援団をはじめ、熱心なサッカーファンが足を運んでいる。

 そんな中でピッチの登場したのは1回戦で韮崎アストロスを破った札幌大学と、2回戦が初戦となる仙台大学。3回戦で待ち受けるベガルタ仙台への挑戦権をかけて戦う。選手の登場とともに、ホームよりのメインスタンドで札幌大のブラスバンドと応援団の応援が始まり、地元サッカーファンも事前の配られた旗を片手に声援を送る。一方の仙台大は、はるばる札幌までやって来た関係者が選手たちの背中に声を送る。そして13:00、試合がキックオフされた。



前半は札幌大(紫)ペースで進むも得点ならず
 地元・札幌大のフォーメーションは3−6−1。中盤の底はダブルボランチ。1トップの松田をフォローする形で2列目に伊藤、多賀の2人が構える。仙台大も布陣は3−6−1。ただし、中盤は3ボランチ。2列目には右ワイドに仲谷、左ワイドに金子、そしてトップ下に佐藤が並ぶ。ともに長いボールを1トップに当てて、高い位置で起点を作り、そこからのボールを後方からフォローするスタイル。多少スタイルは異なるが、基本的な部分は変わらない。

 前半の主導権を握ったのは札幌大。松田をターゲットにしてロングボールを送り、多賀が裏のスペースに飛び出し、落としたボールは伊藤がフォローして前出る。仙台大を上回る運動量でセカンドボールを拾い、手間をかけずに前へボールを送る。一方、「(怪我人も含めて)状態があまり良くない」(中屋敷眞監督・仙台大)という仙台大は、まずは守備に専念。時折長いボールを前線に送るものの、それを攻撃に結びつけることは出来なかった。

 さりとて札幌大学もゴールを挙げるには至らない。一方的にボールを持っているものの、3日で2試合を消化するというスケジュールの影響からか、攻撃のほとんどが単発。出し手と受け手の2人の関係でしかボールが動かず、組織的に相手を崩すことが出来ない。それでも、13分、19分には決定的なシュートを放ったが、それもわずかなところでゴールマウスを捕らえ切れなかった。結局、前半は0−0のまま折り返すことになった。



スタンドから声援を送る札幌大チアガール
 仙台大は後半になると、両ワイドの金子と仲谷の位置を高い位置に修正。これで前線でボールを落ち着けられるようになった仙台大のサッカーが活性化する。対する札幌大は高い位置に起点を作ってから左サイドへ展開、そこへ左WB赤澤が駆け上がることで突破口を探す。しかし、ともに相手を決定的に崩すシーンは作れない。前半と比較すればゲームは動き出したのだが、3人目がボールに絡めない両チームは、攻撃の芽を大きく広げることが出来ないままだ。

 そんな展開の中、先制点が生まれたのは58分のこと。ゴールネットを揺らしたのは仙台大の金子だった。左サイドでボールを持った池上が、中央へ流れた金子へボールを預けて、そのままラインの裏側へ抜け出すと、そこへ金子からのボールが戻ってくる。このプレーで左サイドを突破した池上から再びゴール前に詰めていた金子へ。このコンビプレーで札幌大のDFラインは崩壊。あとは金子が右足インサイドでゴールマウスに流し込むだけでよかった。

 1点のビハインドを背負った札幌大は62分に石郷を大石へ、67分には長谷川を市川へ、さらに70分にも多賀を満生へと人を代えて奪われた流れを取り戻しに行く。そして残り15分を切ってからは猛攻を繰り出した。しかし、それもゴールには結びつかず。ひとつ、ひとつのプレーは目を見張るものはあっても、最後まで選手同士が連携できず、ビッグチャンスを作り出すことが出来なかった。やがて試合終了のホイッスル。ベガルタ仙台への挑戦権は、仙台大が手に入れた。



1点を追ってゴールを目指す札幌大だったが・・・
 勝った仙台大は天皇杯初出場で初勝利。「意地で守りきった試合。一見、危険ではあるけれど完全に崩されたシーンはなかった。メンタルとメンタルの対戦だったが、相手は押し込んでいるときに点が取れず、うちは徐々に安定してきて取るべきときに取った。その差」とは中屋敷眞監督・仙台大。チームの状態が良くない中での勝利に「してやったり」の表情を浮かべた。

 一方、敗れた札幌大の藤山和夫監督。「Jリーグとやりたかった。高いレベルになればなるほど1人ではやりきれない。チャンスでもう1人サポートに入れれば」と悔しさを滲ませた。しかし、今シーズンの戦いはこれで終わったわけではない。道内では大学リーグが行われている最中であり、その先にはインカレも待っている。「サッカーは何が起こるかわからないので、まずは気持ちを切り替えて大学リーグに専念したい」(同監督)。この日の悔しさは、これから始まる戦いで晴らすしかない。








(札幌大学) (仙台大学)
GK: 松本俊輔 GK: 中野拓也
DF: 長谷川展浩 水越勇人 庄子基史 DF: 細川淳矢 阿部靖之 根本友幸(84分/上田大貴)
MF: 長谷川聖司(67分/市川雅) 土田真也 赤澤麦 石郷裕ニ(62分/大石慶太郎) 伊藤健介 多賀貴紀(70分/満生健) MF: 大橋良隆 池上礼一 金子恵 佐藤正和 仲谷圭史(67分/角田充弘) 柿沼亘
FW: 松田卓也 FW: 増嶋義己(81分/森木祐治)
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