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 第84回全国高校サッカー選手権大会 <前へ次へindexへ>
四半世紀を経てのベスト4。国立への切符を手にしたのは多々良学園
第84回全国高校サッカー選手権大会 準々決勝 鹿島学園高等学校vs.多々良学園高等学校

2005年1月5日(木)12:10 市原臨海競技場 観衆:5,500人 天候:曇
試合結果/鹿島学園高等学校1−2多々良学園高等学校(前0−1、後1−1)
得点経過/[多々良学園]齋藤達也(12分)、[鹿島学園]佐々木竜太(44分)、[多々良学園]石田聖雄(62分)


文・大内孝彦

 国立の舞台まであと一歩。準々決勝4試合は埼玉スタジアムで2試合と、ここ市原臨海競技場で2試合がそれぞれ行われる。その市原臨海の1試合目は2年連続2回目出場の鹿島学園と13年連続18回目出場の多々良学園という新興校と伝統校の対戦である。ともに次に進めば初のベスト4となる。



 この試合、多々良学園は前2試合の4バックから3バックへとフォーメーションを変更。この中盤を1枚厚くした布陣が功を奏し、立ち上がりから試合の主導権を握ることになる。そして12分。右サイドのスローインから楢崎がペナルティエリア深くへ侵入してふわりとしたボールをゴール前へと上げる。これを山田が胸トラップでつなぎ、齋藤が間髪入れずにオーバーヘッド気味にシュートを放つ。このゴールを背にしたプレーに虚を衝かれたか、GK安藤は反応できず。ボールはそのままゴール左へと吸い込まれ、多々良学園が先制した。

 1点を追う立場となった鹿島学園。失点直後は多々良学園の攻勢を受ける場面も多かったのだが、徐々に挽回し逆に多々良学園のゴール前へ迫る場面を作り出す。19分には小原が左サイドから上げたクロスに対して榎本がフリーでゴール前に飛び込み頭で合わせる。得点となっても不思議では無い形とタイミングであったのだが、惜しくもシュートは上手くミートせず、GK柳井にキャッチされて得点とはならず。

 27分。多々良学園は中盤の底に入っていた1年生の金城に代えてFW登録の小畠を投入する。この選手交代により、多々良学園は楢崎をディフェンスラインに下げて4バックへと変更。慣れている布陣に戻した形となった。この後も鹿島学園が攻める展開が続くものの、得点には至らない。前半終了間際にも右サイドから入ったクロスを眞家がペナルティエリア内で反転してシュートという場面があったのでが、ボールはクロスバーを越えてしまい得点とはならず。結局、前半は多々良学園が1点をリードして終了した。



 後半も試合の主導権を握ったのは鹿島学園。そして44分。右サイドから榎本がゴール前へと入れたクロスに対して、GK柳井が飛び出してクリアを狙うがこれよりも佐々木が一歩早くヘディングシュート。ボールは無人のゴールへと飛んで行きゴールネットを揺らした。こうして実にあっさりと鹿島学園が同点に追いついた。

 47分。同点とされた多々良学園は先制点を挙げた1年生の齋藤に代えて、監督が「切り札」という石田を投入する。しかしこの後も逆転を目指す鹿島学園の攻勢は続く。だが、多々良学園のディフェンス陣も体を張った守備でゴールを許さない。そうこうするうちに今度は多々良学園が盛り返し互角の試合展開へと移って行く。

 62分。多々良学園は楢崎から右サイド深くへ出されたパスにゴールライン間際で小畠が追い着きライナー性のボールを折り返す。そしてこのボールにニアサイドに走り込んで来た石田が頭に当てる。ここまで安定した守備を見せていたGK安藤といえども目の前でコースを変えられては反応しきれずボールは左のサイドネットに突き刺さった。こうして多々良学園が再び1点をリードした。

 この後、双方とも相手ゴールへの意欲は見せるものの決定的な場面には至らないまま試合は2分間のロスタイムへ突入。そして鹿島学園の佐々木がドリブルで相手陣内深くに攻め入りチャンスを作り出したものの、平野のシュートは惜しくも左ポストの脇を通過。直後に試合終了のホイッスル。共に初めてのベスト4を目指しての戦いとなったこの試合を制したのは、初出場からおよそ四半世紀を経た多々良学園であった。



 結果として、勝利した多々良学園と敗れた鹿島学園と大きく明暗を分けることとなったのだが、試合を見る限りでは両者の差はそれほど大きなものでは無かったように思われる。ただ、敢えてその差を探すと、選手層の厚さを挙げることができるかもしれない。3回戦で決勝点を挙げた小畠やこの試合の決勝ゴールを決めた石田といった選手を控えにとっておくことができる点は多々良学園のアドバンテージである。そしてそれは13年連続出場という歴史の積み重ねから生み出されたものなのかもしれない。


(鹿島学園高等学校) (多々良学園高等学校)
GK: 安藤恭平 GK: 柳井一茂
DF: 椎名拓也、平野泰之、後藤大地、竹内裕也 DF: 國光佑介、田村隆生、観音寺矢
MF: 横山将為、小原秀一、平山正樹、榎本有真(58分/小玉泰輔) MF: 金城基樹(27分/小畠諒)、菅田恭介、齋藤達也(47分/石田聖雄)、平間直道、楢崎佑馬
FW: 佐々木竜太、眞家巧 FW: 山田竜司(67分/平川亮輔)、ハウバートダン
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