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第25回全日本女子サッカー選手権大会 １回戦 ジェフユナイテッド市原レディースvs.日本体育大学
2004年1月11日（日）11:00キックオフ 加古川運動公園陸上競技場 天候：晴
試合結果／ジェフユナイテッド市原レディース1−５日本体育大学（前1−２、後０−３）
得点経過／[市原]清水由香（7分）、[日体]村岡夏希（32分）、法師人美佳（37分）、 村岡夏希（51分）、丸山桂里奈（54分）、光成芳恵（79分）
取材・文／貞永晃二
日本の女子サッカー最高峰のこの大会も25回目を迎えた。博多、加古川、上野、清水という４ヶ所で開幕し、広島、さいたまでの準々決勝、西が丘での準決勝、そして決勝の聖地・国立を目指す戦いである。
会場の加古川運動公園陸上競技場は「加古川」という川の色をイメージした目に鮮やかな青色の陸上トラックが目を引く。これは全国的にも珍しいものだそうだ。ここで、二日間で１・２回戦を行いベスト８が決まる。
気温も下がり、寒風が吹くピッチでの第一試合はＬリーグ12位のジェフユナイテッド市原レディースと昨年末の全日本大学女子選手権を制し４連覇を達成した日本体育大学の顔合わせだ。
開始早々、日体大が市原を自陣に押し込む。左右のサイドからDFラインとGKの間のスペースを狙った早目のクロスを入れチャンスを作る。市原が落ち着きを取り戻し、やや持ち直した7分、思わぬ相手のミスから市原が先制する。日体大DFがボールコントロールに手間取るところを市原・清水由香がかっさらい独走しGK平田麻利絵の出際にシュートを決めた。
先制された日体大は焦ることなく、自分たちのサッカーを続ける。村岡夏希、丸山桂里奈、松窪裕子らのスピードある攻撃、特に右サイドからのクロスに市原DFは苦しめられる。
だが多くのチャンスも決定力を欠き、市原DFも集中を切らさずなんとか持ちこたえていた。
そして迎えた32分、日体大は見事なセットプレーで同点とする。右からのCKは防がれたが続く松窪の上げた左CKは鋭い軌道でニアポストで村岡のヘッドにピッタリと合った。さらに追い立てるように37分、右からのMF藤本まどかのクロスがファーポストまで抜け、MF法師人（ほうしと）美佳がワントラップでDFをかわし、GK伊藤美華のポジションを見て正確なシュートを決めた。鮮やかな逆転劇にスタンドの少ないながらも熱心なファンが拍手を送る。日体大のリードで前半の40分（１・２回戦は40分ハーフ）は終わった。
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そしてわずか３分後、昨年のワールドカップ日本代表でもある丸山がエースの実力を見せつける。鋭い動き出しでスルーパスを引き出し、GKとの一対一となり難なく決めて見せた。１−４、とうとう３点差がついてしまった。
しかし直後に先制点をあげている市原・清水が左サイドを突破し日体大ゴールに迫ったがGK平田が果敢な飛び出しで守った。さらにはMF河村もミドルを狙うがGKの正面。追撃の得点にはつながらない。一方日体大は攻撃の手を緩めない。法師人、村岡と連続して絶好のチャンスを迎えるが市原も踏ん張った。しかし終了間際の79分、交替出場の光成芳恵がスルーパスに反応しGKと一対一となる。飛び出したGK伊藤は蹴り出そうとするが、かなわず光成は番人不在のゴールへ流し込んだ。１−５、思わぬ大差がついてタイムアップを告げる笛が寒空に響いた。
日体大はインカレを４連覇した自信でＬリーグのチームに真っ向から向かっていった。そして、完勝で市原を退けることに成功したのだ。次の相手はＬリーグの強豪（３位）の日テレ・ベレーザだ。日本代表を多く抱える名門チームにどんな戦いで挑めるか、注目だ。
敗れた市原はいいところなく去ることになった。だがスタメンの花桐だけではなく、サブには15歳の石鍋千夏、16歳の多田美帆など若い素材も多いようだ。来年度はＬリーグ２部で戦うことになるが、１部昇格を目指しての戦いで彼女たちの成長を期待したい。
