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第25回全日本女子サッカー選手権大会 ２回戦 日テレ・ベレーザvs.日本体育大学
2004年1月12日（月・祝）11:00キックオフ 加古川運動公園陸上競技場 観衆:403人 天候：晴
試合結果／日テレ・ベレーザ５−０日本体育大学（前２−０、後３−０）
得点経過／[日テレ]近賀（9分）、大野（27分）、荒川（40分）、近賀（52分）、
荒川（69分）
取材・文／貞永晃二
前日の寒さがうそのような快晴。暖かな日差しが注ぐピッチでベスト８を目指し激しい戦いが繰り広げられた。
第一試合は前日ジェフ市原レディースに圧勝した日体大とＬリーグ２位の日テレ・ベレーザが激突した。日テレにとってＬリーグ２位というのは不本意な成績。今大会６度目の優勝への思いは強い。一方、日体大としては格上の相手に先制できるかがカギとなるだろう。
連戦のためか動きに鈍さが感じられる日体大。そこへ高いボールスキルと激しい動きで日テレが襲いかかる。4分、MF大野忍のドリブルシュートが左ポストを叩く。続いてU-19代表候補17歳FW山口麻美がドリブルで突進、プルバックで戻すが味方が合わせられない。一方日体大もエース丸山桂里奈にクロスが合うがコントロールに失敗しチャンスを逃す。
９分、押し気味の日テレがややラッキーな先制点を奪う。中盤フリーでキープしたＬリーグ新人王のMF近賀ゆかりが思い切りよくロングシュートを放つ。少しポジションが前目だったGK平田麻利絵は下がりながらのジャンプとなり届かず、ボールはネットを揺らした。守備を崩されたわけではないものの、日体大にとっては痛い失点だ。
元気のない日体大とは裏腹にゴールを目指したたみかける日テレ。山口が中央でスルーパスを受け、スピードで抜け出しGK平田と１対１となるが、ここは平田がファインセーブで逃れる。日体大の反撃は松窪裕子から丸山へのホットライン。しかし丸山のシュートに力がない。
日テレは中盤の底に小林弥生を置き、左右サイドへパスが配給され攻撃がスタートする。日体大のMFはボールを追いかけるが奪えず当然FWが孤立する。完全に試合を支配した日テレが追加点をあげる。27分、ラインを上げた日体大DFのウラを突き、２列目から飛び出した大野にスルーパスが通り、またもGK平田と１対１。平田は今度は前へ出られず大野はコントロールシュートを決めた。
その後もCKからのシュートがゴールラインを割ったかに見えたが幻の３点目となった。２点差のまま試合は後半へと進んでいく。
日体大のがむしゃらな反撃が期待された後半。しかし開始後すぐにラッシュをかけた日テレが試合を決める３点目だ。40分（１・２回戦は40分ハーフ）、小林がドリブルからキープ、後半から入った荒川恵理子が右を並走しスルーパスを受ける。DFはそのスピードにつききれずフリーシュートを許し、GK平田は無力だった。
反撃に出たい日体大だが、圧倒的にボールを支配する日テレに防戦一方となる。頼みは丸山の突破力なのだが、一人をかわすのがやっとではシュートさえ打てない。そして、またも失点を喫してしまう。52分、左サイドを小林が破りクロスを中へ。DFのクリアに日テレFWがからみこぼれ球を近賀が自身の２点目を決める。４−０、絶望に包まれる日体大。
69分に荒川が自身の２点目を決め５−０とした後、日体大にはもはや反撃の力は残っていなかった。シュート数25対４、一方的な内容でタイムアップとなった。
予想通り、日体大には連戦の疲労が重くのしかかってしまった。アマチュアだけに日程の組み方の難しさは理解できるが、大会プログラムで川渕キャプテンも今大会を「日本女子サッカー最高峰」と理解され、「レディースサッカーの活性化」をＪＦＡの重点施策とされるのなら、男子の天皇杯と同等に試合間隔をあけた日程で実施してほしいものだ。連戦がやむを得ないなら交代選手を増やし５名まで認めるなども考慮してほしいと思う。せっかく公式戦でＬリーグの強豪と戦える機会だけにベストコンディションで戦いたかったというのが日体大の選手たちの本音だと考えるからだ。
代表選手を多く抱える日テレ。彼女たちにとって本番はここからだ。広島、西が丘、そして国立と戦いは続く。ワールドカップイヤーのためコンディション維持に苦しみ逃した女王の座を実力で奪い返すために。
