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第25回全日本女子サッカー選手権大会 ２回戦 日ノ本学園高等学校vs.大原学園JaSRA女子サッカークラブ
2004年1月1２日（日）13:00キックオフ 加古川運動公園陸上競技場 観衆：403人 天候：曇
試合結果／日ノ本学園高等学校１−３（前０−１、後１−２）大原学園JaSRA女子サッカークラブ
得点経過／[大原]松本（32分）、中野（42分）、津波古（74分）[日ノ本]虎尾（78分）
取材・文／貞永晃二
加古川での２回戦第２試合はＬリーグ７位の大原学園JaSRA女子サッカークラブと前日の１回戦で清水第八に予想外の大勝（5-0）を果たした日ノ本学園高校の対戦。この試合はメインスタンド左右に分かれての両チーム応援団が大声での応援を繰り広げたため、大変な盛り上がりの中キックオフされた。
日ノ本は二日連戦の疲れが心配されたが、どうやら序盤は落ち着いた試合運びを見せる。やや大原が優勢に試合を進めていくがシュートで終われない。日ノ本では前日同様、クレバーなスイーパー朝日麗華のカバーリングが効いている。彼女の存在でDFラインの選手は思い切った守備で相手に対処することができているのだ。
徐々に大原にチャンスが増えていく。CKからDF山木里恵がヘッドで狙う。日ノ本もスピードあふれるカウンターを繰り出し、大原ゴールのネットを揺らしたが、残念ながらファウルがあって取り消される。大原は再度CKから山木が今度は身体で押し込もうとするがバーを越えてしまう。さらにはMF松本美保のミドルが飛ぶがその精度は悪い。
そして大原が32分に先制する。左サイドからのクロスボールがファーまで抜けてきたところを松本が叩き込んだのだ。男性中心の大原応援団はおおはしゃぎ、先制を許した日ノ本応援団は女子高生たちが黄色い声で「広島へ 行こう」と歌い、準々決勝の地広島へ連れて行って、と選手たちを鼓舞する。やがて時計は40分（１･２回戦は40分ハーフ）を刻み主審の笛の音を聞いた。
後半日ノ本がどのような攻撃を仕掛けるか注目されたが、開始まもなく大原が追加点をあげて出ばなをくじいた。42分の中野絵美のこの得点が日ノ本には重くのしかかっていく。日ノ本はDFからMFへのつなぎの段階でミスが生まれるようになる。この時間帯へきて、連戦の疲れが身体だけでなく集中力の欠如という形で露わになってきたのだろうか。ピンチを自ら招いていては勝負には勝てるはずがない。
大原はＬリーグのプライドをもって高校生チームに対した。松本さらには交代出場の津波古（つはこ）友美子が果敢なシュートを放って日ノ本のU-19代表候補GK岸星美を脅かす。疲れながらも必死に戦い続ける日ノ本。矢田貝のミドルシュートも空しい。
そして駄目押し点は74分だ。スルーパス一本、フリーで抜け出した津波古が強烈なシュートを決める。３点の差がついてしまった。しかし逆に開き直ったのか日ノ本が攻勢に出る。
78分、見事なワンツーで右サイドを深くえぐり、上がったクロスから虎尾直美が必死に足を振るとボールは日ノ本の選手の意地を乗せてふわりと上がってGK島田素英の頭上を越えネットに吸い込まれていった。
しかし、日ノ本の頑張りもここまで。アディショナルタイム３分間もあっという間に過ぎ、大学２チーム、Ｌリーグ１チームを降した赤いイレブンの冒険もここにエンドマークを迎えた。
結果的には２点差で終了したこの試合。同じ条件で戦っていれば、、、と観戦したファンは誰もがそう考えたことだろう。せめて１日の休養日があれば全く違う内容の試合になったはずだ。それほど日ノ本学園高校の戦いぶりは賞賛に値するものだった。パス・アンド・ムーブを忠実に繰り返し、ピッチを縦横に動き回った。１、２年生も多いチーム構成だっただけに次年度の活躍を、成長を楽しみにしたい。
大原学園JaSRAは目標の国立への道を一歩進んだ。しかし第一関門は困難な相手日テレ・ベレーザが待ち構えている。失うものは何もない。元・女王に真正面からぶつかって、大会に一波乱起こしてもらいたいものだ。
最後に。加古川会場での４試合の裏方として頑張った啓明女学院高校サッカー部の皆さん、今大会は予選３回戦で大阪体育大学に敗れたようですが、次年度は予選を勝ち抜いてこの大会のピッチの上で走り回る姿を見せてほしいと思います。二日間、大変お疲れ様でした。
