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第82回天皇杯全日本サッカー選手権大会 | <前へ|次へ|indexへ> |
福岡、健闘及ばず。京都が延長戦を制してベスト8へ
第82回天皇杯全日本サッカー選手権大会4回戦 アビスパ福岡vs.京都パープルサンガ
2002年12月22日(日)13:00キックオフ 鴨池陸上競技場 観衆:2405人
試合結果/アビスパ福岡0−1京都パープルサンガ(前0−0、後0−0、延前0−1)
得点経過/[京都]田原(94分)
取材・文/中倉一志
3回戦でJ1の浦和を破った福岡が粘り強い戦いを見せて京都を苦しめた。ボール支配で圧倒的に上回る京都に対し、安定したチームディフェンスを披露、決定的なピンチには身体を張った守りで京都に得点を許さず、少ないながらもあわやというチャンスも作り出した。結局はVゴール負けを喫しベスト8入りは逃したが、シーズン中に不安定さを露呈した守備が安定してきたこと、若手が成長の後を見せたこと等、来シーズンに向けて明るい材料を見つけられたと言える試合だった。
しかし、善戦は出来ても勝ちきれなかったのは、やはり実力の差。接戦に見えても京都との力の差が大きかったことも事実だった。ベスト8進出を果たし「みんな最後まで行きたいと思っています。最後まで行きたいです」と語ったエンゲルス監督。敗れながらも「天皇杯を通じて若手が非常に成長したんではないかということを実感しています」と語った中村監督。天皇杯を勝負の場と考えているチームと、将来に備える大会として戦わざるを得なかったチーム。両チームの現実を浮かび上がらせた試合でもあった。
試合は京都のペースで進んでいった。黒部を中央に右に朴智星、左に松井を置く3トップで臨む京都は起点になる松井にMF鈴木が絡んで左サイドを中心に福岡ゴールを目指す。対する福岡は高い守備意識を武器に京都の攻撃をつぶしていく。今シーズンは守備の不安定さが大きな課題となっていたが、この日はよく人について京都の選手をフリーにせず、しつこくボールを追いかけてはプレッシャーをかけ続けてチャンスを作らせなかった。
最初の決定機は15分、京都に生まれた。長い距離を走ってオーバーラップしてきた鈴木が左サイドを突破、そこからのクロスにフリーで黒部が頭から飛び込んだ。しかし、ここはGK塚本がファインセーブを見せてゴールを死守、J1相手に一歩も引かないという気迫を見せる。そして30分を過ぎたあたりからは、攻め疲れの見える京都に対し福岡が反撃を開始する。中盤で相手を2、3人で囲い込んでボールを奪い、そこからカウンターを仕掛けるシーンが目立ち始めた。
しかし、次の決定機も京都。ペナルティエリアの外、左サイドにこぼれたボールを拾った黒部がドリブルで最終ラインを突破、最後はGKもかわしてゴールにボールを流し込んだ。だが、そこへ猛烈なスピードで戻ってきたのが宮本。ボールがゴールラインを割る寸前に大きく外へ蹴りだした。その気迫にサポーターから大きな声援がわく。結局、前半は0−0のままで終了。粘るだけ粘ってワンチャンスをものにしたい福岡にとっては、狙い通りの展開だった。
後半に入ると、福岡は二宮と林を下げて宮原と宮崎を投入。早くも勝負に出る。しかし、京都との力の差は思った以上に大きかった。「後半も同じことを続けたかったので、焦らないでと選手にも言いました」というエンゲルス監督の指示通り、京都は少しもあわてずボールを回して攻撃を展開する。そして勝負を仕掛けたはずの福岡を自陣内に一方的に押し込んだ。なんとか粘りのある守備を見せる福岡も攻撃には全く手が回らない。
それでもワンチャンスにかける福岡は38分、川島からのロングボールに反応した宮崎がそのまま最終ラインを突破してノートラップでシュートを放つ。初めて得た決定機だったが、ボールは無常にもサイドネットへ吸い込まれる。一方、京都は終了間際の44分に2度の決定機を作り出したが、これはGK塚本がゴールを死守、試合はとうとう延長戦にもつれ込んだ。だが、延長開始直後の94分、京都のCKがこぼれたところを石丸が拾って再びゴール前へ。このボールに田原が頭で合わせて京都がVゴールを決めた。
粘り強くボールに喰らいつき、中盤で囲い込むようにしてボールを奪うシーンも随所に見せた福岡。しかし「守って速攻を得点につなげることが出来なかった、最後のところがちょっと雑だった」(中村監督)というように、そこから攻撃へつなげなかったのが響いた。放ったシュートは僅かに4本。後半は宮崎の1本だけでは勝利が遠いのも当然だろう。戦い方次第では上位相手に善戦することも可能だが、そこから先に進むためには、まだまだ大きな壁が存在している。
一方、苦しみながら勝利を挙げた京都。その勝因は、「ポジショニングを確認して、パスを意識して、ただ前に蹴るだけじゃなくてやっていこう」という自分たちのリズムを最後まで貫き通したことにある。ほとんどの時間を攻撃に費やしながらゴールが奪えないという嫌な展開だったが、それでもペースを崩せずに戦えたのは、やはり地力の差ということなのだろう。結果はVゴール勝ちであったが、内容的には危なげない試合だった。
● 中村監督(福岡)記者会見 ● エンゲルス監督(京都パープルサンガ)記者会見
(アビスパ福岡) | (京都パープルサンガ) | |||||||
GK: | 塚本秀樹 | GK: | 平井直人 | |||||
DF: | 立石飛鳥 川島眞也 藏田茂樹 宮元亨 | DF: | 鈴木和裕 手島和希 角田誠 | |||||
MF: | 大塚和征 篠田善之 原田武男 二宮一拓(HT/宮崎光平) | MF: | 中払大介 石丸清隆 鈴木慎吾 冨田晋矢 | |||||
FW: | 江口倫司 林祐征(HT/宮原裕司) | FW: | 朴智星(61分/熱田眞) 黒部光昭 松井大輔(72分/田原豊) |
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